ユーロ圏インフレ率、8月速報2.2%に鈍化 追加利下げ観測拡大へ

AI要約

欧州連合(EU)統計局が30日発表した8月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)上昇率(速報値)は前年比2.2%と、3年ぶりの低水準まで鈍化した。

インフレ率はエネルギー価格の下落やサービスコストの増加で影響を受けており、ECBは追加利下げを検討している。

一部のエコノミストはサービス価格の急上昇を一時的なものと指摘しており、インフレ率の持続的な軟化には時間がかかると見られている。

ユーロ圏インフレ率、8月速報2.2%に鈍化 追加利下げ観測拡大へ

Balazs Koranyi

[30日 ロイター] - 欧州連合(EU)統計局が30日発表した8月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)上昇率(速報値)は前年比2.2%と、3年ぶりの低水準まで鈍化した。欧州中央銀行(ECB)が9月に追加利下げに踏み切るとの観測が強まりそうだ。

伸び率は市場予想通りに7月の2.6%から縮小した。

変動の大きい食品とエネルギーコストを除いたコアインフレ率も予想通り2.9%から2.8%に鈍化。サービス部門のインフレ率が4.0%から4.2%に加速したものの、輸入財価格が落ち着いた。

サービス価格はパリ五輪の影響で押し上げられたとみられる。フランスではサービスコストが急上昇したが、一部エコノミストは一時的なものと指摘する。

今回の指標はECBの政策当局者に歓迎されそうだが、持続可能な形で目標値まで軟化するにはなお2025年末までかかる見込み。

1年前の高水準のエネルギー価格というベース効果でインフレ率は機械的に押し下げられているものの、政策当局者はU字型のインフレカーブを描くとして、今年末には2.5%程度まで戻ると予測。賃金上昇がECBにとって最大の懸念であり続けているとみられる。