ハンガリー中銀が政策金利据え置き、インフレ上振れで利下げ休止

AI要約

ハンガリー国立銀行が政策金利を6.75%に据え置き、連続して行っていた利下げを一旦休止。

インフレの上昇を背景に今後の利下げは慎重に検討する方針。

インフレ率、金融政策、物価動向などを慎重に見極めた上での金利政策が今後の焦点。

[ブダペスト 27日 ロイター] - ハンガリー国立銀行(中央銀行)は27日、主要政策金利を従来の6.75%に据え置いた。中銀は前回の会合まで15回連続で政策金利を引き下げ、利下げ幅は合計で1125ベーシスポイント(bp)に及んでいたが、足元でのインフレの上振れを背景に、金融緩和を休止した格好だ。

中銀は今後の追加利下げについて、国内の物価動向や他の主要中銀の金融政策を慎重に見極めた上で判断する方針を示した。

今回の政策金利据え置きは、ほぼ市場予想通り。15人のエコノミストを対象に実施したロイター調査では、予想中央値で金利据え置きが見込まれ、25bpの利下げ予想は4人にとどまっていた。

昨年第1・四半期に25%を超えていたハンガリーの総合インフレ率は今年6月が3.7%、7月が4.1%だった。コアインフレ率は6月が4.1%、7月は4.7%に伸びが加速した。

中銀のビラグ副総裁は記者会見で「インフレ見通しを巡るリスクにより、慎重かつ忍耐強い対応が妥当となる」と指摘。今後の金利見通しを決定する上で8月の物価統計が鍵を握ると付け加えた。

ビラグ氏は、年内に25bpの利下げを1回もしくは2回実施する可能性があると語り、中銀が9月に公表するインフレ報告で見通しがより明確になると話した。

さらに同氏は、中銀は7月の食品価格上昇が一時的な現象なのか継続性のある現象なのかを見極めるため物価指標をきめ細かく点検すると表明した。

キャピタル・エコノミクスのアナリスト、ニコラス・ファール氏は「当社の現時点での見通しでは、政策金利は6.25%まで引き下げられるが、リスクは恐らく、利下げがより小幅にとどまる方向に傾いている」と説明。「来年の経済成長の加速とインフレの硬直性により、金融緩和の度合いは極めて限定されることなると当社は考えている」と分析した。