【スナップ】戦闘服が「私のファッション」 東欧の“アグレッシブ・モノトーン”

AI要約

ジョージアの首都トビリシで、第2回「カルチャー・ウイーク・トビリシ」が開催された。文化芸術に焦点を当てたプログラムで、国内外のアーティストの作品が展示され、ファッションショーやコンサートも開催された。

アート関連の専門家やファッション愛好家が参加し、日本からは藤原ヒロシも訪れた。トビリシらしいストリートスタイルやアンダーグラウンドな雰囲気が特徴的で、地元のファッションシーンも活気に満ちている。

イベント期間中には、外国からの資金提供に反対するデモが行われており、若者たちもデモに参加するための服装に工夫を凝らしていた。

【スナップ】戦闘服が「私のファッション」 東欧の“アグレッシブ・モノトーン”

ジョージアの首都トビリシで、第2回「カルチャー・ウイーク・トビリシ(CULTURE WEEK TBILISI)」が開催された。同イベントは、15年にスタートした「メルセデス・ベンツ・ファッション・ウイーク・トビリシ(MERCEDES-BENZ FASHION WEEK TBILISI)」発起人のソフィア・ツコニア(Sofia Tchkonia)が、昨年11月に新たに始めたイベントだ。ジョージアの文化芸術に焦点を当てたプログラムで構成し、旧コカ・コーラ工場をメイン会場に、国内外のアーティスト13人の写真や陶芸、映像作品を展示した。

ファッションでは、8ブランドがメイン会場や市内のレストラン、廃墟となった建物で、ショーやプレゼンテーションを行った。初日には「ジョージアン・ナショナル・バレエ&オーケストラ・スクシビリ(Georgian National Ballet & Orchestra Sukhishvili)」が、伝統楽器を使ったオーケストラの演奏と、バレエのパフォーマンスを披露した。同イベントは文化振興に積極的な同国大統領のサロメ・ズラビシュヴィリ(Salome Zourabichvili)も好意的で、イベント参加者であるアーティストや、国外からのゲストを公邸に招待する特別プログラムも設けた。また、最終日に開いた「ジョージアン・フィルハーモニー管弦楽団(Georgian Philharmonic Orchestra)」とオペラ歌手アニタ・ラチヴェリシュヴィリ(Anita Rachvelishvili)のコンサートには大統領自身も出席した。

「これが私のファッションです」

ファッション・ウイークとは毛色の異なるイベント内容だったため、国外ゲストとして美術館の学芸員や芸術関連のキュレーター、アートディレクターらが参加し、日本からは藤原ヒロシが来場した。ローカルのゲストは、テクノミュージックが盛んなトビリシらしいアンダーグラウンドな雰囲気と、この街の出身である「バレンシアガ(BALENCIAGA)」のデムナ(Demna)=クリエイティブ・ディレクターを彷彿とさせるストリートスタイルが現在も主流だ。1980~90年代の古着をミックスし、足元はスニーカーを合わせるのが定番だ。

イベント期間中のジョージアでは、外国から資金の提供を受けている団体を規制する法案に反対する、大規模なデモが1カ月近く行われていた。デモ参加前に同イベントに来場した23歳のナタリアは、古着マーケットで購入したミリタリーウエアと、家族から譲り受けたアイテムを組み合わせた服装で、ジョージアの国旗を掲げていた。「デモに参加する日は、汚れたり、破れてしまってもいい服装を身に着けます。1カ月前からデモに参加しており、戦闘服が日常着になりました。民主主義が守られるまでは、これが私のファッションです」と話した。