株式市場が再び下落する危険にさらされている5つの理由…ドイツ銀行が指摘(海外)

AI要約

ドイツ銀行が指摘するところによると、株式市場は8月初めに見られた急落に対して依然として脆弱だ。

経済指標の弱さや景気後退への懸念が株価急落の要因として残っており、投資家は5つの主要リスクに注意を払う必要がある。

これらのリスクには、過大評価された株式市場、経済データの脆弱性、金融政策の引き締め、季節的に不利な9月、地政学的緊張が含まれる。

株式市場が再び下落する危険にさらされている5つの理由…ドイツ銀行が指摘(海外)

株式市場は8月初めに見られたような急落に対して依然として脆弱だと、ドイツ銀行が指摘している。

経済指標の弱さや景気後退への懸念を背景に、株価は8月に入って急落した。

その後、市場は回復したものの、経済データの悪化といった下落の要因は依然として存在しているという。

8月の株価急落は短期間の出来事だったが、再び同様の事態が起こる可能性が依然として高いと、ドイツ銀行(Deutsche Bank)が最新のリサーチノートで指摘している。

主要な株価指数は8月初めに、失望を招く経済データやテック企業の業績不振が相次いだことを受けて急落した。さらに、円キャリートレード(金利が低い円を借り、ドルなどの金利が高い通貨に換えて利ざやを稼ぐ取引)の巻き戻しが状況を悪化させた。

その後、市場は回復したものの、下落の背後にある要因は必ずしも消滅していないとドイツ銀行は指摘し、投資家が注視すべき5つの主要リスクを取り上げた。

第一に、株式は、依然として歴史的高水準の評価額となっており、過大評価された状態で取引されている。このことは8月の株価急落前から一部のウォール街関係者を不安にさせており、投資が殺到する中で引き続き不安材料となっている。

第二に、経済データは依然として脆弱な状態にある。8月に株価が大幅に下落した一因は、非農業部門雇用者数が予想の19万4000人を下回り、市場の期待を裏切ったことだった。

このような弱さを示すサインは歓迎されるものではないが、景気後退を示すほどの水準ではないという。しかし、だからこそ、実際に景気が後退した場合に、さらなる失望を招くデータが入り込む余地があり、投資家に大きな影響をもたらす可能性がある。

第三に、金融政策の引き締めはますます強くなっている。実質的なFF金利は最近、2007年以来の高水準に達した。

第四に、9月はここしばらく、株価にとって季節的に良くない月になっている。この期間でS&P総合500種は4年間連続で下落しており、過去10年間で見ると7回下落している。

また、債券にとってもよくない月であり、ブルームバーグのグローバル総合債権インデックスは、これまで7年連続で9月に下落している。

第五に、地政学的緊張が依然として高い。中東紛争が4月の株価急落の一因となったほか、同時期に原油価格も年初来の高値を記録した。

最近ではさらなる緊張の高まりが報じられたことで、8月の原油価格は、1日の値上がり幅が今年の最大を記録した。