「自分一人でやるほうが早い」と部下の仕事を巻き取るのはNG…入社2年目の新人に対し「私がおかした4つの間違い」

AI要約

最近話題の「ホワイトハラスメント」について、上司と部下の関係を通じて考察する。

ハラスメントの概念が広がり、セクハラやパワハラに加えて様々な形態が登場している。

ホワイトハラスメントは、過剰な配慮や過保護が部下や後輩の成長機会を奪う行為を指す。

「自分一人でやるほうが早い」と部下の仕事を巻き取るのはNG…入社2年目の新人に対し「私がおかした4つの間違い」

職場におけるハラスメントといえば「セクハラ」や「パワハラ」が一般的だが、時代の移り変わりか、ここ数年で様々なハラスメントが登場している。ハラスメントとは、相手が嫌がる行為や言葉によって不快感を与えることだが、相手を気遣ったつもりでとった行動がハラスメントに当たるケースもある。

前編記事〈大きなミスをした入社2年目の新人に「休日出勤」をお願いしたら…長い沈黙のあと「想定外の反応」〉では、最近話題になっている「ホワイトハラスメント」について、私と入社2年目のAさん(仮名、以下同)との体験談を紹介した。彼女がしたある大きなミスにより、休日返上で作業をしなければいけない状態に……。しかしAさんは私用を優先して休日出勤を拒否。「じゃあいいよ。私がやるからさ」と作業を巻き取ったものの、Aさんとの関係は悪化し、最終的に彼女は辞めてしまった。

あのとき私はどうすべきだったのか?部下後輩に「ホワイトハラスメント」と思われないためのポイントを、改めて事例をもとに考えていきたい。

まずは、ホワイトハラスメントについて、その定義などを改めて考えていこう。

「ハラスメント」という言葉が世の中に頻繁に出現するようになったのは、おそらく「セクシュアルハラスメント」という言葉が流行語大賞を受賞したことがきっかけだろう。1989年(平成元年)のことだから、かれこれ35年前のことである。リゲインの「24時間働けますか?」というCMが一世を風靡した同時期の話だ。その後、さまざまな種類のハラスメントが出現し、現在では、パワーハラスメント、マタニティハラスメント、カスタマーハラスメントなどなど、50種類以上のハラスメントがある。

「ホワイトハラスメント」もそのうちの一つではあるが、前編記事で紹介した出来事が起こった時点では、そのような言葉はまだ聞かなかったし、つい最近まで、あの出来事が実は「ホワイトハラスメント」なるものであったとは、夢にも思っていなかった。

「ホワイトハラスメント」とは、上司が部下に対して、先輩が後輩に対して、過剰に配慮することで、結果的に部下や後輩の成長機会を奪う行為をさす。前編のように、部下の退職を恐れて「私がやっておくからいいよ」とか「残業しなくていいよ」といった言葉をかけることで、部下が「指導してもらえないのはハラスメントだ」と受け止めてしまうことだ。上司や先輩からすれば、耳を疑ってしまうようなことではあるのだが。