〔東京外為〕ドル、一時143円台半ば=FRB議長発言で急落(26日午後5時)

AI要約

26日の東京外国為替市場では、パウエルFRB議長の利下げ示唆を受け、ドル売り・円買いが優勢となり、ドルは急落。ドル円相場は約3週間ぶりの安値水準で推移し、143円88~89銭で取引された。

パウエルFRB議長の発言により、米利下げの観測が確信に変わり、市場ではドル売りが強まった。一方で、米雇用統計が発表されるまでの状況を注視する声もあった。

ユーロは対円で下落し、対ドルでは上昇。午後5時現在、1ユーロ=160円88~89銭、対ドルでは1.1180~1181ドルで推移している。

 26日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、前週末にパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が利下げを強く示唆したことを受け、日米金利差の縮小を意識したドル売り・円買いが優勢になり、一時1ドル=143円台半ばに急落した。5日以来、約3週間ぶりの安値水準。午後5時現在は、143円88~89銭と前週末(午後5時、145円82~83銭)比1円94銭のドル安・円高。

 ドル円は早朝、前日の海外時間に売られた流れを引き継ぎ、143円50銭台に下落した。その後は買い戻される場面もあったが、改めて売りが強まり、一時143円40銭台に水準を切り下げた。正午にかけては戻り歩調となり、午後に入ると日経平均株価の下げ止まりなどを眺めて144円台に浮上。ただ、終盤にかけて再び売られ、143円60銭近辺まで水準を切り下げたが、売り一巡後はやや持ち直した。

 パウエルFRB議長が前週末の「ジャクソンホール会議」で講演し、金融政策を「転換する時が到来した」などと発言。市場では、「米利下げ観測が確信に変わった」(大手邦銀)と受け止められ、ドル売り・円買いが強まった。今後については、「まずは8月5日の141円台を目指すのではないか」(同)との声が聞かれた。一方で、「トレンドがドル売りに傾いているとはいえ、9月6日に米雇用統計が発表されるまでは、一段と売り込む動きは出にくい」(国内証券)との指摘もあった。

 ユーロは対円で下落。対ドルで上昇。午後5時現在、1ユーロ=160円88~89銭(前週末午後5時、162円14~16銭)、対ドルでは1.1180~1181ドル(同1.1119~1119ドル)。