厚生年金や国民年金は額面通りにもらえない?年金から引かれる4つの費用を徹底解説
年金支給日について
実際の受給額と計算方法について
厚生年金の受給額の男女差について
8月15日は年金支給日でしたね。
年金は老後の大切な資金ですが、実際には手取り額が額面通りでないことを知っているでしょうか。
年金からは税金や保険料が引かれるため、支給額の実際の受け取り金額は少し違ってきます。
ニュースで見かける年金額はこれらの控除が含まれていないことが多いので、そのまま信じてしまうと老後の計画に影響が出るかもしれません。
そこで今回は、公的年金からどのような税金や保険料が引かれているのかを詳しく解説します。
これを理解すれば、より現実的な老後の資金計画が立てられるでしょう。
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日本の年金制度について再確認してみましょう。実は、日本の公的年金制度は「国民年金」と「厚生年金」の二階建てになっています。
●国民年金(老齢基礎年金)
20歳以上60歳未満の全ての日本人が加入するのがこの国民年金です。
・保険料:一律の金額で、2022年度は月1万6590円、2023年度は1万6520円です。
・受給額: 40年間きちんと保険料を払うと、満額がもらえます。ただし、途中で未納や免除があると、年金が満額から減ります。
●厚生年金(老齢厚生年金)
会社員や公務員などは、国民年金に加えて厚生年金にも加入しています。こちらが2階部分です。
・保険料: 収入に応じて異なり、給与から自動的に引かれます。
・受給額: 保険料を払った期間や額に応じて変わります。このため、個々に差があります。
日本の年金制度は「国民皆年金」なので、全員が何らかの形で年金に加入しています。
でも、実際に手元にどのくらいの金額が残るのか、気になりますよね。
次の章では、具体的な受給額についてさらに詳しく見ていきましょう。
厚生労働省の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、厚生年金の実際の受給額を見てみましょう。
厚生年金には、基本の国民年金も含まれています。
●厚生年金の平均受給月額
・〈全体〉平均年金月額:14万3973円
・〈男性〉平均年金月額:16万3875円
・〈女性〉平均年金月額:10万4878円
※国民年金部分を含む
●厚生年金月額階級別の老齢年金受給者数
・1万円未満:6万1358人
・1万円以上~2万円未満:1万5728人
・2万円以上~3万円未満:5万4921人
・3万円以上~4万円未満:9万5172人
・4万円以上~5万円未満:10万2402人
・5万円以上~6万円未満:15万2773人
・6万円以上~7万円未満:41万1749人
・7万円以上~8万円未満:68万7473人
・8万円以上~9万円未満:92万8511人
・9万円以上~10万円未満:112万3972人
・10万円以上~11万円未満:112万7493人
・11万円以上~12万円未満:103万4254人
・12万円以上~13万円未満:94万5662人
・13万円以上~14万円未満:92万5503人
・14万円以上~15万円未満:95万3156人
・15万円以上~16万円未満:99万4044人
・16万円以上~17万円未満:104万730人
・17万円以上~18万円未満:105万8410人
・18万円以上~19万円未満:101万554人
・19万円以上~20万円未満:90万9998人
・20万円以上~21万円未満:75万9086人
・21万円以上~22万円未満:56万9206人
・22万円以上~23万円未満:38万3582人
・23万円以上~24万円未満:25万3529人
・24万円以上~25万円未満:16万6281人
・25万円以上~26万円未満:10万2291人
・26万円以上~27万円未満:5万9766人
・27万円以上~28万円未満:3万3463人
・28万円以上~29万円未満:1万5793人
・29万円以上~30万円未満:7351人
・30万円以上~:1万2490人
厚生年金は、現役時代の収入に応じて保険料が決まるため、もらえる額には個人差が大きいのが特徴です。
ここで気になるのは、男女間での受給額に約6万円の差があるということ。この差の主な原因は、男女の賃金格差や雇用形態の違いでしょう。
たとえば、女性はパートタイムで働くことが多いですし、育児や介護でフルタイム勤務が難しいケースもありますよね。これが年金受給額に影響していると考えられます。
さて、国民年金については男女差が少ないですが、こちらも具体的に見ていきましょう。
後半では「年金から引かれる4つの費用」について詳しく解説しますので、しっかりチェックして、将来の生活設計に役立ててくださいね。