レンジローバー・スポーツ x ポルシェ・カイエン 高級SUVはブランド成長の「金の卵」 比較試乗(1)

AI要約

ポルシェ・カイエンの構想が練られる中、異なるモデル名「スポーティリティ」が検討されていた

スポーツSUV市場の進化と現在地を比較試乗で確かめる

最新世代のレンジローバー・スポーツとカイエンの最高グレードを比較検討

高級SUV市場の急成長により競争は激化、500馬力以上のモデルが当たり前に

高い目標を掲げて2022年に登場した新型レンジローバー・スポーツと2023年のビッグ・マイナーチェンジされた3代目カイエン

競争力の維持への挑戦と現実味の薄さ

最高グレードのレンジローバー・スポーツ SV エディションワンとカイエン・ターボ E-ハイブリッド・クーペ GTパッケージの比較検討

価格が15万ポンドを超える高級SUVへの適正価格と、スーパーカー級予算の富裕層の求める性能

レンジローバー・スポーツ x ポルシェ・カイエン 高級SUVはブランド成長の「金の卵」 比較試乗(1)

1990年代の後半、ポルシェ・カイエンの構想が練られるさなか、まったく異なるモデル名が検討されていたことをご記憶の方はいらっしゃるだろうか。それは、「スポーティリティ」だ。

ブレインストーミングには、大変なエネルギーが割かれたことだろう。異なるモデル・アイデンティティで推し進められていたら、今の自動車業界はどう変化していたのか、興味を抱かずにはいられない。

ポルシェは、巨大な影響力を掴んでいなかった可能性がある。21世紀初頭に、潤沢な利益を得ることも難しかったかもしれない。ドイツ・シュトゥットガルトで能力を発揮する技術者たちは、賢明な選択を重ね、悲惨な結果を見事に回避した。

そして、現在の自動車市場はSUV花盛り。われわれがポルシェ・カイエン・ターボと対面してから20年。後を追うように、レンジローバー・ストーマー・コンセプトをランドローバーが公開してからも、同じくらいの年月が経つ。

その頃、全長が5m近くあり、車重が2tを超えるスポーツSUVは、斬新で説得力のある新カテゴリーといえた。見た目だけでなく、走りもスポーツサルーンに接近していた。

カイエンとレンジローバー・スポーツは進化を重ね、金の卵のように母体を成長させてきた。ポルシェは間違いなく、世界最高の自動車ブランドの1つになった。ランドローバーも同様に、ブランドイメージを高め続けている。

そして、速いだけでは不充分とみなされるようにもなった。物理学へ反するような能力への驚きは薄れ、更に上にある多様性が求められている。というわけで今回は、最新スポーツSUVの現在地を、比較試乗で確かめてみたい。

21世紀が始まって以来、高級SUV市場は爆発的に拡大した。10万ポンド(約1900万円)以上のモデルは珍しくなく、500馬力は当たり前。ランドローバーやポルシェ以上に誘引力の強いブランドが、富裕層の心を惹き付けている。

臨戦態勢を整えるべく、最新世代のL461型レンジローバー・スポーツは、2022年に登場。3代目カイエンも、2023年にビッグ・マイナーチェンジを受けた。競争力の維持のため掲げられた高い目標は、達成されただろうか。

直接比べるなら、1番良い仕様を並べるのが望ましい。そこで英国編集部が選んだのは、レンジローバー・スポーツ SV エディションワンと、カイエン・ターボ E-ハイブリッド・クーペ GTパッケージ。動力性能的には、それぞれの頂点に君臨するグレードだ。

英国価格は、15万ポンド(約2850万円)を軽く超える。庶民には現実味が薄いことは間違いない。ランボルギーニやアストン マーティン、フェラーリなどのスーパーSUVへ、スーパーカー級の予算を用意する富裕層にとっても、小さな額ではないだろう。