あのバカ騒ぎはなんだったの? 認証不正問題を総括する

AI要約

国土交通省は不正行為の調査報告書を受領し、一連の認証不正問題の調査が終了。ダイハツとカワサキモータースの車種に関する問題解決が進む。

国交省と自動車メーカーの間には認証制度に関する対立が存在。トヨタの再発防止策提出など、問題解決に向けた動きがある。

個人的経験から、官と民間の対立についての見解を述べる。豊田章男会長の発言も、現在の状況を象徴的に示している。

あのバカ騒ぎはなんだったの? 認証不正問題を総括する

国土交通省は2024年8月9日、カワサキモータースから型式指定申請における不正行為の有無等に関する調査報告書を受領(不正行為なしという内容)。これにより、一連の認証不正問題の調査が終了した。発端となったダイハツも、同年7月18日に「ロッキー」と姉妹車「トヨタ・ライズ」のハイブリッドを生産再開し、これにより全現行車種のデリバリーが再開(型式指定を取り消された車種を除く)。トヨタも8月9日に再発防止策を国交省に提出した。長らく続いた騒動も、なんとなく幕を迎えつつある……らしい。

ただ個人的には、この問題には初めからあまり関心がなかった。これはメーカーと国交省の問題で、ユーザーはほぼ無関係だと思っていたからだ。私自身ダイハツ車のユーザーだが、当初からなんとも思っていなかった。この程度のことで「ウチのクルマ、故障するかも?」なんてビビッってたら、30年以上フェラーリに乗り続けられるわけがない。……というのはカーマニア的な遠ぼえだが、やじ馬として俯瞰(ふかん)すると、典型的な“お役所対民間”の対立だったように思える。

国交省側は、現在の日本の認証制度は「国連規則で示されたもので、欧米等のメーカーも同じ規則で認証を受けている」という。いっぽうの自動車メーカー側は、平謝りしながらも、「こういう試験をしましょうということは決められているというんですけれども、やり方が非常にあいまいで、かつ、メーカーによって担当者によって解釈のしかたによってずいぶんやり方が違ってくる場合がございます」(トヨタ自動車・佐藤恒治社長)といった恨み節が聞かれた。

私は数年前、中古のBMWを買うために車庫証明の交付を申請した際、現地確認に来た担当警察官から驚くべき対応をされたことがある。「この駐車場は寸法が足りないかもしれないので、本当にそのクルマが入るかどうか、同じ型式のクルマを実際に入庫させた状態を見せてください」というのである。まだ買ってないクルマを借りてきて、入れて見せろと言うのだ。信じられない無理難題である。それまで50台くらいクルマを買ってきたが、そんな要求は初めてだった。

その担当官が異常にきちょうめんなのか、意地悪が趣味なのか、とにかく「官」にはそういう人もたまにいるらしい。めんどくさいので正面対決は避け、借りていたほかの駐車場で車庫証明を取ることにしたが、この件に関して担当官は「正当な法執行」だと主張するだろうし、私は「住民いじめ」と感じた。

2024年7月、トヨタ自動車の豊田章男会長は、不正認証問題に関連して「(自動車業界が)日本から出ていけば、大変になる。ただ、今の日本はがんばろうという気になれない」と発言したが、つまり「そんなにいじめるなら、ほかの駐車場で車庫証明取ろうかな」ということだろう。例えが極小サイズでスイマセン。