〔東京外為〕ドル、145円台後半=米金利上昇で水準切り上げ(23日午後5時)

AI要約

23日の東京外国為替市場では、ドルの対円相場が前日の海外市場での動向に影響され、145円台後半に上昇した。植田日銀総裁のタカ派的発言も市場を揺さぶったが、終盤は下げ渋る展開となった。

米国時間では、FRB高官の発言により米長期金利が上昇し、ドル円は一時146円50銭台まで上昇。しかし、中盤には長期金利の上昇が一服し、145円80銭台に下落した。

植田総裁の発言や市場の様子見ムードが影響し、ドル円の動向は激しく変動した。ユーロも対円では強含みだったが、対ドルは小安い展開となった。

 23日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、前日の海外市場で米長期金利が上昇したことに支援され、1ドル=145円台後半に水準が切り上がっている。東京時間の午前は、植田日銀総裁のややタカ派的な発言に押されたが、終盤は下げ渋る展開だった。午後5時現在、145円82~83銭と前日(午後5時、145円27~28銭)比55銭のドル高・円安。

 ドル円は早朝、前日の海外市場で買われた流れから146円20~30銭前後で取引された。午前9時以降、植田総裁の衆院財務金融委員会での発言がややタカ派的と受け止められ、午前11時ごろに145円30銭前後に急落。正午に向けてやや持ち直した。午後は、午前に売られた反動から買い戻され、午後1時すぎには145円80銭台に浮上。終盤は売りが強まる場面もあったが、午後5時にかけては145円台後半に持ち直した。

 前日の米国時間の序盤は、FRB高官のタカ派的な発言などで米長期金利が上昇。ドル円は146円50銭台へ水準を切り上げた。中盤は、長期金利の上昇一服を眺めて、145円80銭台に軟化。終盤は146円20銭台に水準を切り下げた。

 植田総裁は国会で、「経済・物価見通しが姿通りに実現する確度の高まりが確認できれば、金融緩和の度合いを調整する」などと発言。市場では「ハト的な発言を行うと思われたが、実際にはややタカ派的だった」(為替ブローカー)と受け止められ、午前中は売りを誘った。ただ、午後に入ると「植田総裁の発言は消化済みとなり、やや買い戻しが優勢になった」(大手邦銀)という。目先は、パウエルFRB議長の講演を控えて「様子見ムードが強まる」(同)との声が聞かれる。ユーロは終盤、対円で強含み。対ドルは小安い。午後5時現在、1ユーロ=162円14~16銭(前日午後5時、161円80~82銭)、対ドルでは1.1119~1119ドル(同1.1137~1139ドル)。