日銀総裁、金融市場の動向「引き続き不安定、高い緊張感を持ち注視」

AI要約

日本銀行が追加利上げ決定後の金融市場の不安定な状況について、植田和男総裁が高い緊張感を持って対応する考えを示した。

植田氏は市場の変動を受け、今後の金利引き上げに慎重な姿勢を示し、市場の不安定化について米国景気後退懸念と政策変更の影響を指摘した。

経済の減速懸念が高まり、株価や円相場が大きく乱高下する中で、金融市場が混乱を極めている状況を解説。

日銀総裁、金融市場の動向「引き続き不安定、高い緊張感を持ち注視」

 衆院財務金融委員会は23日午前、日本銀行の7月末の追加利上げ決定とその後の金融市場の乱高下に関する閉会中審査を開いた。出席した日銀の植田和男総裁は、「金融資本市場は引き続き不安定な状況にある。当面はその動向を極めて高い緊張感を持ちつつ注視していく」と述べた。

 植田氏が公の場で発言するのは、追加利上げを決めた7月31日の金融政策決定会合後の記者会見以来。植田氏は会見で、今後のさらなる金利引き上げに積極的な姿勢を示していたが、金融市場の変動を受けて、慎重に対応することを強調した形だ。

 会合後、米経済の減速懸念が強まるなどし、8月5日に日経平均株価が4451円下げて過去最大幅の暴落となり、翌6日は3217円上げて過去最大の急騰を記録。円相場も乱高下し、金融市場が不安定になった。植田氏は、利上げ後の市場の乱高下について、米国の景気後退懸念が主因としつつ、「私どもの政策変更もあって、一方的な円安が修正された」と述べ、追加利上げの影響を認めた。