「店内放送」で売上117%増も、ウエルシアやダイソーら注力。声優が読む商品CMや推し活BGM

AI要約

ウエルシアホールディングスを含む企業が店内放送に力を入れており、その効果が売上に大きく影響している。

人気声優を起用したオリジナル番組やBGMなど、顧客エンゲージメントを高める工夫が凝らされている。

ウエルシアHDはオリジナルの店内放送に注力し、売上増加や顧客エンゲージメント向上を実感している。

「店内放送」で売上117%増も、ウエルシアやダイソーら注力。声優が読む商品CMや推し活BGM

ダイソーやマクドナルドなど、店内放送に力を入れる企業が増えている。ドラッグストア最大手のウエルシアホールディングスも、その1社だ。

店内で商品の音声CMを流した時間帯とそうでない時間帯を比較したところ、売上金額、個数ともに大幅に増加したことが分かった。

人気声優を起用したオリジナル番組や、推し活需要を汲んだBGMなど、顧客エンゲージメントを上げるために各社工夫を凝らしている。

「この番組はここでしか聞けないプログラムです」

「お買い物中の皆さん、疲れがたまっていませんか」

アニメ「進撃の巨人」のミカサ・アッカーマン役などで知られる人気声優、石川由依さんが語りかける。

ウエルシア薬局らの店舗で聞くことができる、オリジナル音声コンテンツ「MUSIC WELCIA」のひと幕だ。

パーソナリティには人気声優が複数人起用され、自由なトークと音楽の間に、店舗で販売されている商品のCMが流れる。CMを読み上げるのも、もちろん声優だ。

トークテーマを設定してSNSでエピソードを募集したり、流して欲しい曲を募るなど、客と双方向のコミュニケーションもはかっている。

ウエルシアHDは声優を起用する理由について、

「比較的コストをおさえたキャスティングが可能な上に、アニメ自体への印象が強いため、有名タレントと比較して個人へのネガティブな反響やコメントが出にくい傾向があるようだ」

と説明している。

ウエルシアHDは2023年5月から、こうしたオリジナルの店内放送に注力してきた。2024年7月からはウェブサイトも開設し、情報発信を強化している。

以前はインストゥルメンタルのBGMの間に一般のナレーターが読み上げる商品のCM が入り 、メリハリが無く客に伝わりにくい課題があったそうだ。

現在の形にして、1時間に1回、栄養ドリンクや便秘薬、生理用品、洗顔、男性用シャンプーなど5つの商品のCMを放送して客の購買行動を分析したところ(2024年6月3日~6月30日まで)、CMの放送ありの時間帯となしの時間帯では、CM放送の対象ブランド「単体」の売上金額が102% ~117%増加、売上点数が103%~ 123%増加、CM放送の対象ブランド「全体」の売上金額も103%増加、売上点数も103.1% 増加していた。

以前に比べてCMを提供するメーカーの数も増え、引き合いは上々だという。