もはや円安は終わった…1ドル130円台の可能性も!いまこそ「物価引き下げ」で国民を困窮から救え

AI要約

日本の株価下落率が他国よりも高い理由について解説。

アメリカ、イギリス、日本の株価下落率の比較。

円高局面やキャリートレードの影響について詳細に解説。

もはや円安は終わった…1ドル130円台の可能性も!いまこそ「物価引き下げ」で国民を困窮から救え

日本の株価下落率は、他国と比べて際立って高い。それは7月末ごろから円高局面に転換したからだ。これまで円キャリー取引によって円安が進んでいたが、それが、いま逆転している。中期的に1ドル130円台の円高に進む可能性が高いが、それより円高になる可能性もある。

7月の終りから、アメリカの株価下落に端を発し、世界の株価が下落した。ここで注目すべきは、日本の株価下落率が、欧米のそれに比べて遥かに大きいことだ。

日、米、英の3国について、終値を、株価下落が始まる直前の7月30日と、一番底である8月5日とを比べると、つぎのとおりだ。

まず、今回の株価下落の震源地とも言えるアメリカのダウ平均株価は、7月30日には4万0734ドルだったが、8月5日には3万8703ドルに下落した。この間の下落率は、5.0%だ。

イギリスのFTSE指数は、7月30日には8292だったが、8月5日には8008となった。この間の下落率は、3.4%だ。

これに対して、日本の日経平均株価は、7月30日には3万8525円だったが、8月5日には3万1458円となった。下落率は18.3%と、極めて高い値だ。

8月5日の下落幅4451円は、1987年のブラックマンデーの翌日につけた3836円を超える過去最大値だった。また、8月2日の下落幅2216円は、史上第3位の下げだった。

しばしば、「世界の株価を下落させた原因は、アメリカの景気減速」と説明される。

このこと自体は間違いではないのだが、それだけでは、なぜ日本の株価下落率が際立って高いのかを説明することができない。その理由を明らかにすることは、日本株の将来を見通す場合に、重要な情報となる。

なぜ日本の株価下落率がこのように大きいのか?

それを解く鍵は、各国為替レートの変動率にある。

円、ポンド、ユーロの最近の動向を比較すると、つぎのとおりだ。

まず円は、2024年の初めから円安基調が続き、7月10日には、1ドル=161円まで円安になった。しかし、11日から円高に転じ、その後はほぼ継続して円高が進んだ。この過程は、7月末の日銀政策決定会合で利上げを決定する以前から続いていたことに注意が必要だ。

そして、8月5日には、144円になった。わずか1月足らずの間に、20円近くの円高が進んだのである、その後、やや円安になったが、8日に147円になった後は、再び円高に向かっている。

一方、ポンドを見ると、7月中旬に1ポンド=1.3ドル程度だったのが、8月初めに1.27ドル程度へと減価している。ユーロの最近の状況を見ると、7月末に1ユーロ=1.85ドル程度だったのが8月初めに1.90ドルへと増価してはいるが、大きな変化ではない。

このように、7月末以降、ポンドは減価している。ユーロは増価しているものの、率は高くない。これらと比べると、最近時点での日本円の増価率は、著しく高い。とくに、7月31日以降、急速に円高が進んでいる。

こうなるのは、円の場合には、「キャリー取引の巻き戻し」現象が起きていたからだ。この間の事情を以下に説明しよう。