停滞が続いたリニア建設計画に期待「開業、予定通りに」多く 109社アンケート

AI要約

産経新聞が実施した主要企業アンケートによると、リニア中央新幹線の建設計画に対する期待が高まっていることが分かった。開業時期に関しては予定通りの進行が求められている。

半数近くの企業がリニア中央新幹線の開業に期待しており、開業時期については予定通りの進行を望む声が多いと報告された。

リニア中央新幹線は高速での移動が可能なため、経済効果も見込まれているが、静岡県の工事遅延が課題となってきた。新知事は自然環境を保護しながら工事を進める方針を示している。

停滞が続いたリニア建設計画に期待「開業、予定通りに」多く 109社アンケート

産経新聞が実施し、109社が回答した主要企業アンケートでは、長らく停滞していたリニア中央新幹線の建設計画の進展に対し、約半数が期待を寄せていることがわかった。開業時期については、予定通りの進行を求める声が多かった。

開業への期待については「とても期待している」が4・6%、「期待している」が44・0%と、前向きな声が回答の半数近くを占めた。「あまり期待していない」は6・4%、「期待していない」は0%で、45%が無回答だった。

開業時期は、当初より後ろ倒しとなり、品川―名古屋間が最短で令和16(2034)年とされる。予定通りの開業を望む声が26・6%で最も多く、開業を急がず安全や環境に配慮を求める声が15・6%。前倒しを求める声は7・3%で、中止の要望はなかった。無回答が50・5%だった。

リニア中央新幹線は、時速500キロでの運転が可能なリニアモーターカーを使用し、東京(品川)―大阪間を約1時間で結ぶ。全線開業すれば、世界に例を見ない人口規模約6600万人の巨大都市圏が形成されることになる。

三菱UFJリサーチ&コンサルティングによると、品川-名古屋間の開業により、移動時間短縮や企業の生産性向上によって、約10・7兆円の経済効果が試算されている。

ただ前静岡県知事の川勝平太氏は、線路が通る大井川の水の減少懸念などを理由に、長く静岡工区の工事着工を認めず計画は大幅に遅延していた。川勝氏は県職員への訓示での失言で今年5月に辞任し、元浜松市長の鈴木康友氏が静岡県知事に初当選した。

鈴木氏は7月に静岡工区の現場を視察し、報道陣に「南アルプスの自然を守りながら工事を進める」と述べている。(織田淳嗣)