〔東京外為〕ドル、149円付近=良好な米経済指標で大幅上昇(16日午後5時)

AI要約

16日の東京外国為替市場では、ドルが急上昇し、1ドル=149円台に到達した。様々な要因が影響し、市場は様子見ムードが広がった。

前日の米国市場では、良好な経済指標が出たことで米景気不安が後退し、ドルに買いが入った。ただし、週末を控えて調整売りも見受けられた。

ユーロは対円では上昇し、対ドルでは下落した。市場は日経平均株価の動向などを注視しつつ、ドル円相場が安定するかが焦点となった。

 16日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、前日の良好な米経済指標を受けて先行きの米景気不安が後退し、1ドル=149円付近に大幅上昇した。午後5時現在は、149円01~02銭と前日(午後5時、147円21~21銭)比1円80銭の大幅ドル高・円安。

 前日の海外市場で買われた流れを引き継ぎ、東京早朝は149円20銭台を中心に取引された。午前は調整売りなどが優勢で、正午に向けては148円70銭台まで軟化。午後は日経平均株価が上げ幅を一時1400円超に拡大させる中、リスク選好の動きが強まって買い直され、再度149円台に浮上した。

 前日の米国時間は、7月の小売売上高が市場予想を上回ったほか、新規失業保険申請件数が2週続けて改善したことで、「米景気に対する過度な不安が和らいだ」(運用会社)といい、米大幅利下げ観測が後退。ドル買いが優勢となり、149円40銭付近まで水準を切り上げる展開になった。

 東京時間は「週末を控えた調整売りが見られた」(FX会社)とされ、午前はやや値を落とす流れになった。ただ、午後に入ると日経平均の大幅上昇を背景に買いが広がり、ドル円は持ち直し基調となった。市場関係者からは「結果的には方向感が出なかった」(同)との声が聞かれた。

 ユーロは対円で大幅上昇、対ドルで下落。午後3時現在、1ユーロ=163円69~69銭(前日午後5時、162円12~13銭)、対ドルでは1.0984~0985ドル(同1.1013~1013ドル)。