GDP4─6月期は2期ぶりプラス、年率3.1%増 車の生産回復などで

AI要約

2024年4─6月期の国内総生産は前期から0.8%増加し、一部自動車メーカーの認証不正問題の反動が出た。

個人消費と企業の設備投資が増加し、内需の柱となった。

名目GDPは1.8%増で過去最高を更新し、政府は新しい経済ステージへの展望を示している。

GDP4─6月期は2期ぶりプラス、年率3.1%増 車の生産回復などで

Kentaro Sugiyama

[東京 15日 ロイター] - 内閣府が15日発表した2024年4─6月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質(季節調整値)が前期から0.8%増え、2四半期ぶりにプラスとなった。年率換算では3.1%増。一部自動車メーカーの認証不正問題によって1─3月期に押し下げられた反動が出た。

ロイターがまとめた民間調査機関16社の予測によると、4─6月期実質GDPの予測中央値は前期比0.5%増、年率換算で2.1%のプラス成長だった。

GDPの過半を占める個人消費は前期比1.0%増と、5四半期ぶりのプラス。個人消費とともに内需の柱となる企業の設備投資も同0.9%増と、2四半期ぶりのプラスとなった。

1─3月期はダイハツ工業と豊田自動織機の認証不正問題に伴う生産・出荷停止が個人の買い替えや企業のトラック購入の制約となったが、4─6月はそこから持ち直した。

民間住宅は1.6%増、公共投資は4.5%増でいずれも4四半期ぶりプラスとなった。

名目GDPは1.8%増、年率換算は7.4%増だった。実額は607.9兆円と過去最高を更新。安倍晋三政権(当時)が15年に掲げた600兆円の目標を達成した。政府は「大きく状況が変わる節目の時とも言えるのではないか。新しい経済ステージへの一里塚になる」(内閣府幹部)との見方を示している。

<7─9月期はプラス成長の見通し>

現段階では、7―9月期の実質GDPはプラス成長となる見通し。日本経済研究センターが13日発表したESPフォーキャスト8月調査(回答期間7月30日─8月6日)によると、民間エコノミストの予測平均は年率2.15%増となっている。

24年春闘における賃上げが徐々に実際の給与に反映されるほか、定額減税やボーナスも個人消費の下支えになるとみられている。

一方、8月に出された南海トラフ地震臨時情報の「巨大地震注意」は、一部地域の宿泊施設のキャンセルや海水浴場の閉鎖、花火大会中止などを通じてサービス消費を下押しする可能性がある。