銀座ルノアールが「意識高い系女性」をターゲットにした新業態、アリーヌカフェは成功するか?

AI要約

喫茶店の存在価値は様々な用途に利用されることが挙げられるが、コロナ禍でその需要の変化が見られる。

需要が移動中心から目的中心にシフトしており、喫茶店で過ごす時間の質が重視されるようになっている。

新業態のアリーヌカフェは、南仏の雰囲気と手作りスイーツを特色としており、喫茶店の変化を象徴している。

銀座ルノアールが「意識高い系女性」をターゲットにした新業態、アリーヌカフェは成功するか?

 喫茶店の存在価値とは何だろうか。思い浮かぶのが、移動で疲れたときにちょっと入ってくつろぐ場所、待ち合わせスポット、企業などを訪ねる前の時間つぶしといった用途だ。

 提供商品はおいしいに越したことはないが、どちらかと言えばアクセス性や、適切な価格などが優先される。いわゆる「機会来店」型の需要だ。

■ルノアールの新業態とは? 

 しかしこうした喫茶店に求められる機能も、コロナ禍で変わったようだ。まず、仕事での移動が減り、冒頭に挙げた用途で利用することが減った。代わって、喫茶店で過ごす時間そのものの質が問われるようになったのだ。

 スペースを広くとった客席や内装にこだわり、商品にも特徴を持たせた、郊外型の喫茶店が増えているのもそうした理由だ。「あの喫茶店が好きだから」と、わざわざ行く「目的来店」型の店にシフトしているということだ。

 そんな中、昔ながらの喫茶店の代表とも言える「喫茶室ルノアール」を運営する銀座ルノアールも、変化を迫られているようだ。

 変化を象徴するのが2024年4月25日にオープンした新業態「Aline café et sucreries(アリーヌ カフェ エ シュクルリ)」(以下、アリーヌカフェ)。和訳すると「アリーヌ~コーヒーとお菓子~」という意味になる。アリーヌは印象派の画家ルノワールの妻の名だそう。南仏の家庭風の雰囲気と、手作りスイーツをブランドの特徴として打ち出した。

 第1号店の立地として選ばれたのは府中駅の駅ビル「ぷらりと京王府中」1階。ゆったりと座席スペースを取り、内装はナチュラルな優しい雰囲気でまとめられている。

 看板メニューが南仏の郷土菓子「クラフティ」。牛乳と卵を使った生地にフルーツをのせ、オーブンで焼き上げたスイーツだ。

 プリンとチーズケーキの中間のような「とろっ」と口の中で溶けていく食感が特徴的。自然な甘みに、焼いたフルーツの濃厚な味わいが合わさって、手作りの温かみが感じられるスイーツに仕上がっている。