今夜食べたい! 店主もチャレンジメニューもいまだ健在の町中華「神楽坂飯店」懐かしの味とは【遠くても行きたい町中華#11】

AI要約

飯田橋~神楽坂エリアは30~40年で大きく変化しており、昔の雰囲気を残す店が数少なくなっている。

神楽坂飯店はデカ盛りチャレンジメニューの歴史ある店であり、若者の少食化に悩んでいる。

中華料理の店ながら、日本人向けにカスタマイズされた料理が魅力である。

今夜食べたい! 店主もチャレンジメニューもいまだ健在の町中華「神楽坂飯店」懐かしの味とは【遠くても行きたい町中華#11】

 この30~40年で大きく様変わりした街の一つといえば飯田橋~神楽坂エリア。

 それこそ昭和の時代は神楽坂芸者がいて、料亭、小料理屋などが立ち並ぶ大人の街であり、ギンレイホールや佳作座といった、洋画を2本、3本立てで観られる映画館などがありましたが「今は2館ともなくなったね。老舗甘味処の「紀の善」も閉店したし。すっかり街並みが変わっているよ」と話すのは、神楽坂飯店の店主、竹鼻公和さん。

 おそらく、デカ盛りチャレンジメニューとしては日本で一番歴史がある? かもしれない、店の名物「一升炒飯」と「ジャンボ餃子」。

 1966(昭和41)年からずっと続けているものですが「最近ではチャレンジする人はほとんどいないね。今の若い人は少食だから」。ここ数年で挑戦する人は1年に数回あるかないか、とのこと。

「以前テレビの取材でね、上智大学を卒業してからずっと東京に来る機会がなかった人が、定年退職したのちに東京に来たら、自分が学生時代にあったもので、今も残っていたのはウチだけ。ってことがあったんですよ」

 1970年代、それこそ学生運動の時代から、学生たちのお腹を満たしてきた店主。飯田橋~神楽坂の変化、そして若者の少食化は、少し寂しそうに見えます。

 周囲がどれだけ変わっても、味、雰囲気などは昔のまま。一口食べた途端、10代の頃の思い出がふわっと蘇る、飯田橋で青春を過ごした人にとってたまらない中華料理の店、神楽坂飯店。

 大盛りも普通盛りも「日本人向けにカスタマイズされた中華料理だからね」と謙遜して話す店主。中でもおすすめの料理を4つ紹介します。

 賄い飯から生まれたメニューの麻婆焼きそば。「麻婆豆腐は普通に麻婆豆腐。一品料理の麻婆豆腐と同じだね」と店主。

 表面がカリッとした焼きそばと麻婆を和えると、山椒の香りが広がり、一気にお腹が空いてきます。食べ進めていくと、最後には麻婆のタレと豆腐がちょっとだけ残ります。あ~これ、2~3口の量のごはんを入れてシメたい!