米ハイテク株に「著しい圧力」、売り浴びせのリスク消えず-シティ

AI要約

シティグループのストラテジストらによると、米ハイテク株には著しい圧力がかかっており、投資家の強気ポジションが依然として広がっている。経済データの影響により、これらのポジションには潜在的な損失があり、今後下方向の動きが増幅される可能性がある。

米ハイテク株は世界の金融市場で波乱の中心にあり、米経済成長の減速やバリュエーションの高さが懸念されている。ナスダック100指数は過去最高値から約10%低い水準で推移し、市場では米利下げやインフレ統計などの経済データが注目されている。

投資家の楽観がいまだ高い一方で、大型ハイテク株や米景気のソフトランディングに対する市場の確信は少し低下している。ハイテク株を中心とする大型グロース株が米株式市場をリードする可能性はあるが、不透明な状況が続いている。

米ハイテク株に「著しい圧力」、売り浴びせのリスク消えず-シティ

(ブルームバーグ): 米ハイテク株には「著しい圧力」がかかっていると、シティグループのストラテジストらは指摘する。この1カ月に起きた売り浴びせにもかかわらず、依然として投資家の強気ポジションが広がっているためだという。

クリス・モンタギュー氏率いるシティのチームは、ハイテク株の比重が高いナスダック100指数と連動した先物について、約225億ドル(約3兆3200億円)相当のロングポジションが残っているとリポートで述べた。

「ネガティブな経済データが出れば、これらのロングポジションに著しい圧力がかかるだろう」とリポートは指摘。こうしたポジションは平均7.6%の潜在的な損失を抱えているという。「その結果、これから短期的には下方向の動きが増幅される可能性がある」と続けた。

ハイテク株は世界の金融市場で渦巻いた波乱の中心にあった。米経済成長が減速する中でバリュエーションの高さが懸念されたからだ。ナスダック100指数は先週前半の下げを全て埋めたが、それでも7月に記録した過去最高値から約10%低い。

米利下げの可能性について手がかりを得ようと、市場ではインフレ統計など一連の経済データが待たれている。

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一方でバンク・オブ・アメリカ(BofA)の調査では、大型ハイテク株や米景気のソフトランディング(軟着陸)に対する投資家の楽観がいまだに高いことが明らかになった。米株式の新たな強気市場を率いるのは、ハイテク株を中心とする大型グロース株になりそうだとみられている。しかしその確信の度合いは36%と、7月調査の47%から低下した。

原題:Tech Stocks at Significant Risk of Selloff, Citi’s Montagu Says(抜粋)

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