<独自>万博タイプA空き地 「古民家」部材の活用案 休憩所やカフェに 有名建築家が協力

AI要約

2025年大阪・関西万博で、空き地を活用するために古民家を活用した休憩所やカフェの設置が提案されている。

古民家の再生プロジェクトを手掛ける建築家と共同で計画が進められ、費用を抑えつつ建設が可能とされている。

この提案は海外からの来場者に日本らしさを伝えるため、万博の成功に貢献する可能性がある。

<独自>万博タイプA空き地 「古民家」部材の活用案 休憩所やカフェに 有名建築家が協力

2025年大阪・関西万博で、各国政府が独自で設計、建設する「タイプA」パビリオン用に予定されていた敷地が多数空き地となっている問題をめぐり、大阪府木材連合会(大阪市)が古民家を活用した休憩所やカフェなどの設置を日本国際博覧会協会に提案していることが12日、分かった。協会は空き地活用の選択肢の一つとして検討する。費用を抑えつつ、迅速に伝統的な日本家屋風の建物をつくれ、整備を連合会の加盟企業が支援する。

連合会の津田潮会長が産経新聞の取材に対して明らかにした。連合会には大阪府内の木材業者や建設業者約250社が加入している。

タイプAは当初60カ国が希望していたが、撤退や他のタイプへの移行が相次ぎ、13カ国分の予定地が空いている。この空き地をどう活用するかが課題となっている。

連合会は特別顧問で、新潟県の古民家を美しく再生するプロジェクトなどで知られるドイツ人建築家のカール・ベンクス氏と共同で事業を進める計画。

ベンクス氏は利用が困難になった古民家の部材を分解して収集しており、その部材を活用すれば約3カ月で建設が完了し、来年4月の万博開幕に十分間に合わせることができるという。

費用は1坪(約3・3平方メートル)あたり150万円で、60坪の建物を建設した場合、9千万円程度が見込まれる。ただ、会期終了後には解体し、約6割の価格で部材を売却できるとみられるため、実質的には3600万円程度の費用に抑えられるとする。

連合会はこれまで、万博の支援活動を活発に展開。タイプAの建設事業者が決まらない国に対しては、住宅の建設技術を使って迅速につくれるパビリオン「タイプ・ウッド」を提案している。

津田氏は「廉価な手法で、日本らしさを感じてもらえる方法として、古民家の活用をぜひ検討してほしい。海外からの来場者に、より大きな感銘を与えるのでは」と語っている。(黒川信雄)