米アップルがアプリ配信条件を変更、欧州デジタル市場法違反で

AI要約

欧州委員会がアップルによるiPhoneアプリ配信条件がDMAに違反していると発表した問題について、アップルはEU域内での事業方針を変更

アップルのプラットフォーム「アップストア」についての問題点、具体的な変更内容

アプリ業者や欧州委員会、スポティファイなどの反応、今後の展開

米アップルがアプリ配信条件を変更、欧州デジタル市場法違反で

[ストックホルム 8日 ロイター] - 欧州連合(EU)の欧州委員会が米アップルによるiPhone(アイフォーン)アプリ配信条件が「デジタル市場法(DMA)」に違反していると6月に予備的な調査結果を発表した問題で、同社は8日、EU域内での事業方針を変更した。アプリを配信する開発業者は今後、「アップストア」を経由せずに顧客とコミュニケーションが取れるようになる。

欧州委員会によると、アップルのプラットフォーム「アップストア」にアプリ業者がアプリを配信することに関し、アップルは大半のケースでビジネス条件を課し、ユーザーがアプリから閲覧サイトを移動する際は「リンクアウト」経由のみでの移動を許可していた。これは、アプリ業者の顧客であるユーザーの閲覧先を自社の契約可能サイトに移動させるリンクに限ってはアプリの中に含めるのが可能ということを意味していた。

アップルによると、アプリ業者は今後、自社サイトへのリンク提供だけでなく、他のどのサイトへのリンクもアプリに張ることが可能になる。

ただ、アップルは2つの新しい手数料を導入する方針だ。アプリが新規ユーザーを獲得した際にかかる5%の初回手数料に加え、アプリインストールから1年以内のユーザーがあらゆるプラットフォームで行った支払いにかかる10%のストアサービス手数料だ。

アプリ内リンクを巡ってアップルと対立している音楽配信サービス大手スポティファイの広報担当者は「アップルは再びDMAの基本要件を露骨に無視している」と批判した。

欧州委員会の関係者は「われわれはアップルが最終的にコンプライアンス対策を変更するかどうかを精査する方針で、市場、特にアプリ業者からのフィードバックも考慮する」と述べた。