〔東京外為〕ドル、一時147円台半ば=内田日銀副総裁ハト派発言で急騰(7日正午)

AI要約

東京外国為替市場では、日銀の内田副総裁の発言を受けてドルが急騰し、一時147円台半ばに到達した。

海外市場では、ドル円相場が一進一退の展開となり、米国時間にはリスク回避の円買いが強まった。

内田副総裁の発言を受けてドル円相場は再度急騰し、バランスを取る動きが見られる状況となっている。

 7日午前の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、日銀の内田真一副総裁がハト派的な発言をしたことを受け、一時1ドル=147円台半ばに急騰した。正午現在、146円83~84銭と前日(午後5時、145円29~30銭)比1円54銭の大幅ドル高・円安。

 前日の海外市場では、欧州時間は144円30銭台から145円40銭台のレンジで一進一退となった。米国時間の序盤は、大阪夜間取引で日経平均先物が急落し、リスク回避の円買いが強まり144円05銭前後まで下落。中盤は長期金利の上昇で145円40銭に水準を切り上げた。終盤は、主要株価指数の伸び悩みで144円10銭台まで値を落とした。

 この日の東京時間は、仲値にかけて実需の売りが出た。その後、内田副総裁が北海道函館市内の講演で、「当面、現在の水準で金融緩和をしっかりと続けていく」「金融資本市場が不安定な状況で、利上げをすることはない」などと発言すると、ドル円は147円40銭台まで急騰。早期の追加利上げに後ろ向きとの認識が市場で広がった。

 市場では、「160円は行き過ぎたドル高・円安だったが、近時のドル安・円高方向の動きも急激すぎた。バランスを取る意図があるのだろう。今後は調整的な買い戻しを誘いやすい」(大手邦銀)との見立てがあった。午後には、内田副総裁の会見が予定されており、発言に注目が集まっている。

 ユーロは対円で上昇、対ドルで下落。正午現在は、1ユーロ=160円27~32銭(前日午後5時、158円76~77銭)、対ドルでは1.0916~0916ドル(同1.0926~0927ドル)。