子育ての学費、大学までの平均額は?〝奨学金地獄〟経験した親の思い 「人生100年」自分の老後の資金も

AI要約

子育てにかかる費用の本番は小中高以上の学費という意見が寄せられ、その詳細を調査した記事。

2022年の文部科学省調査によると、公立小中高校や私立の学校費用が値上がりしており、子供1人当たりの学習費の平均金額を示している。

月々の支払いが少額でも、1年以上の学習費総額を加算すると大きな金額になり、子育ての負担となることが示唆されている。

子育ての学費、大学までの平均額は?〝奨学金地獄〟経験した親の思い 「人生100年」自分の老後の資金も

「子育ての費用、本番は大学までの学費」――子育てについての連載を担当する記者に、そんな声が寄せられました。試算してみると、たしかにかなりの金額になり、別途、親である自分の老後の資金も必要です。自身も奨学金の返済に苦しむ当事者が国や民間のデータを調べてみました。(朝日新聞デジタル企画報道部・朽木誠一郎)

妊娠出産で約100万円、1歳からの保育料が約100万円……この連載でそんな東京での子育ての“初期費用”を取り上げたところ、「子どもにかかる費用の本番は小中高以上の学費」という意見が寄せられました。

その記事は都知事選の争点だった子育て政策を振り返るものでしたが、そうしたコメントに「確かに」と思い、今度は子育ての“ランニングコスト”からオプションの費用まで、どのような準備が必要か、調べてみることにしました。

文部科学省が2022年に公表した「令和3年度子供の学習費調査」では、「保護者が支出した1年間・子ども1人当たりの学習費総額(平均)」が示されています。

これによると、公立小学校35万2566円、私立小学校166万6949円、公立中学校53万8799円、私立中学校143万6353円、公立高等学校(全日制) 51万2971円、私立高等学校(全日制)105万4444円で、いずれも3年前の前回調査より値上がりしています。

小学校は6年、中学校・高等学校は各3年として試算すると、公立小で約212万円、私立小で約1000万円、公立中で約162万円、私立中で約431万円、公立高で約154万円、私立高で約316万円です。オール公立校だと約528万円、私立校だと約1747万円と言うことになります。

なお、この調査では「保護者が支出した1年間・子ども1人当たりの学習費総額(平均)」には、学校教育費(授業料や学校納付金、学用品代など学校教育のために各家庭が支出した全経費)のほかに、学習塾や習い事などの学校外活動費、幼稚園から高等学校までの給食費が含まれています。

月々の支払いでみれば数万~十数万円ですが、積み重なると大きな金額になることがわかります。現在、我が子は2歳ですが、あと4年で小学生。差し迫った課題です。