日本株を襲うもうひとつの「不都合な真実」…日銀利上げで「円高デフレ大逆流」が招く「日経平均2万8000円台」の悪夢のシナリオ

AI要約

8月5日の日本株大暴落について、日本銀行の政策決定会合が引き金となり、株価の大きな下落が起きたことが指摘された。

株価の下落は、日本銀行の利上げと長期国債買入額の減額、植田総裁の利上げ発言、米国FOMCの動向誤読によるもので、過去最大の下げ幅となった。

米国の経済統計や景気減速懸念が追い打ちをかけ、日経平均株価は史上2番目の大きな下げ幅を記録し、円高が進む中、株価の行方に注目が集まっている。

日本株を襲うもうひとつの「不都合な真実」…日銀利上げで「円高デフレ大逆流」が招く「日経平均2万8000円台」の悪夢のシナリオ

8月5日の日本株の大暴落で、岸田文雄首相や植田総裁は日本版「ブラックマンデー」を演出した戦犯として歴史に刻まれることとなった。

前編『「日本株大暴落」戦犯たちの憂鬱と個人投資家の阿鼻叫喚…なにが日本版ブラックマンデーの引き金を引いたのか』で紹介したとおり、日本株暴落の引き金を引いた日本銀行の政策決定会合である。日銀と政府は大きな3つの間違いを犯した。

ひとつは、利上げと量的金融緩和策として行われていた長期国債の買入額の減額を同時に発表したこと。次に植田総裁がさらなる利上げに言及したこと。そして、米国FOMCの動向を読み間違えたことだ。

これによって、日本株は過去最大の下げ幅を記録したのだった。

直近の経過を振り返ろう。日経平均株価の終値は、日銀が利上げを発表した7月31日の3万9101円から翌8月1日には3万8126円に975円下落した。

しかし、米国の経済統計により、景気減速観が強まると、米国株の大幅な下げと相まって、8月2日には日経平均株価の終値は前日比2216円安の3万5909円と、下げ幅はブラックマンデー翌日の1987年10月20日(3836円安、14.9%安)以来およそ36年10ヵ月ぶりの大きさで、史上2番目の下げ幅となった。

さらに、8月2日発表の米国の7月雇用統計が非農業部門雇用者数11万4000人増と予想を下回り、失業率の前月比が21年9月以来約3年ぶりの高水準となる4.3%に上昇したことで米国の景気減速懸念が強まり、週明けの8月5日の日経平均株価は前週末比4451円安の3万1458円と史上最大の下げとなった。

7月31日に1ドル=153円台だった為替レートは8月5日には141円台まで円高が進行。わずか4営業日で10円以上という急激な円高となった。

日経平均株価の上昇は、円安進行を背景に進んできたといっても過言ではない。1ドル=136円台前半だった23年2月の日経平均株価は2万7446円だった。その後、円安の進行とともに、日経平均株価は上昇を続けたのである。

となれば、どの程度、円高がすすめば株価がどうなるかは見えてくる。