東証、4451円下落 「ブラックマンデー」超え、円高も重しに

AI要約

日経平均株価が3営業日連続の下落で過去最大の下落幅を記録し、約9カ月ぶりの安値を更新。

円相場の急騰や米国景気減速懸念により、東京市場は全面安の展開となり、株価急落でサーキットブレーカーが発動。

市場関係者は、米国景気の失速の具体的な指標は現時点で不明瞭であり、市場の動揺は収まる方向に向かっていると分析。

東証、4451円下落 「ブラックマンデー」超え、円高も重しに

週明け5日の東京株式市場で、日経平均株価(225種)は3営業日続落した。前週末からの下落幅は4千円を超え、1987年10月に米国株が大暴落した「ブラックマンデー」翌日の水準(3836円48銭)を上回り、過去最大を更新した。米国の景気減速懸念に加え、円相場が一時、1ドル=141円台まで急騰したことが相場を押し下げた。

5日終値は前週末比4451円28銭安の3万1458円42銭。昨年10月末以来、約9カ月ぶりの安値をつけた。

株価の急落を受け、大阪取引所は5日午前9時16分から約10分間、東証株価指数(TOPIX)の先物売買を一時中断する「サーキットブレーカー」を発動した。投資家の混乱を避けるための措置で、同先物での発動は東日本大震災後の平成23年3月15日以来。日経平均株価の先物でも午後に発動された。

雇用の悪化懸念から前週末に米国株が続落した影響で、5日の東京市場も終日全面安の展開となった。下落幅は取引終了の直前には4700円まで拡大した。

東京外国為替市場では円相場が対ドルで上昇し、一時1ドル=141円69銭と約7カ月ぶりの円高ドル安水準をつけた。米連邦準備制度理事会(FRB)が大幅利下げに追い込まれるとの見方から、日米金利差の縮小を見込んだ円買いドル売りが進んだ。午後5時現在は前週末比5円73銭円高ドル安の1ドル=143円47~52銭。

ある市場関係者は「米国景気の失速そのものを示す指標は今のところ見当たらない」として、市場の動揺は徐々に収まるとの見方を示している。