低コスト水素燃料電池…OKUMA DRONE、ドローン搭載用開発

AI要約

OKUMA DRONE(福島県大熊町、李顕一社長)は、新たな水素燃料電池(FC)を開発し、ドローンに搭載する取り組みを行っている。国産化とコスト削減を目指し、定置型FCを開発し、年内にプロトタイプ機を完成させる予定。

FCを国産化した水素FCを搭載したドローンを開発し、福島県の補助も受けて実証中。目標ペイロードは40キログラムの積載能力で、15分間の飛行が可能。

FCのセルにおける触媒層の製造方法を見直し、コスト削減を図る取り組みを行っている。将来的には水素ステーションからの燃料供給も可能となる予定。

OKUMA DRONE(福島県大熊町、李顕一社長)は、飛行ロボット(ドローン)に搭載する新たな水素燃料電池(FC)の開発に着手した。現在活用しているFCを国産化し、大学・機関の技術を用いてセルの触媒層に貴金属を使わずに低コスト化する。まず1キロワット、3キロワット級のFCを開発し、定置型を非常用電源や基地局などとして使用。年内にドローンに搭載したプロトタイプ機の完成を目指す。

OKUMA DRONEは水素FCを搭載したドローンを開発する。英インテリジェントエナジーが開発した水素FC4基と帝人製の水素高圧タンクを、6枚羽根のドローンに搭載。40キログラムのペイロードを積んで15分飛行する機体を開発、実証している。この水素FCを国産化してコストを大幅削減するため、福島県の補助も受けて開発する。

FCスタックのセルは、電解質膜と触媒層、ガス拡散層で構成する。触媒層は貴金属の白金をセラミック担体に担持しているが、均等な白金担持が難しいため歩留まりが悪く、コスト高要因になっている。この触媒層を国内調達可能な白金の代替材料を用い、従来とは異なる方法で製造する。ユアサ商事が製造・量産で協力する。

まず定置型FCを移動発電機として工事現場で、非常用電源として家庭や病院などで事業化する方針。同FCを搭載したドローンのペイロードは、実証中のドローンと同様の40キログラムを目指す。開発したFCスタックは2025年初から内外の展示会に出展する。

OKUMA DRONEは水素ステーションでドローンへの燃料供給を実現するため、福島県水素ステーション連絡協議会(福島県浪江町)にも参加。日本自動車研究所(JARI)と共同で実用化開発に着手している。水素ステーションの充填ユニットに減圧装置を付けて高圧水素を減圧して活用する仕組みで、認証を取得して実用化を目指す。