中国・宝山との合弁解消 日鉄、USスチール買収に「プラス影響も」

AI要約

日本製鉄が米鉄鋼大手USスチールの買収を目指す中、中国・宝山鋼鉄との合弁解消が影響を与える可能性がある。

買収計画が米国で政治問題化しており、安全保障上の審査が課題になっている。

森副社長は、合弁解消について「USスチール買収とは関係ない」と説明し、米国内の一部にはプラス影響があると述べた。

 米鉄鋼大手USスチール買収を目指す日本製鉄の森高弘副社長は1日の決算会見で、中国・宝山鋼鉄との合弁解消がUSスチール買収に与える影響について、「一部の人にプラス影響があると思う」と話した。

 買収計画は大統領選を11月に控える米国で政治問題化。全米鉄鋼労働組合(USW)が反対し、上院議員からは日鉄と中国の関係を懸念する声が出ていた。今後は、対米外国投資委員会による安全保障上の審査が課題の一つだ。

 買収に向けて現地入りを重ねる森副社長はこの日の会見で、日鉄が7月23日に発表した宝山鋼鉄との自動車鋼板の合弁事業解消について、「2年前から検討してきたもので、USスチール買収とは関係ない」と強調した。その上で「(日鉄と中国の関係を懸念する米国の)一部の人にはプラス影響があると思う。その効果を狙ったわけではない」と述べた。