迫る「金利のある世界」追加利上げで住宅ローン金利上昇か 「家計全般の見直し必要」

AI要約

日銀の利上げによる影響として、住宅ローン金利の引き上げが最大の逆風となる見込み。

住宅ローンは固定型と変動型に分かれ、金利引き上げで逆風が吹く見込み。

利上げによるプラス面もあり、円高で輸入価格の低下や銀行預金の金利上昇が期待される。

迫る「金利のある世界」追加利上げで住宅ローン金利上昇か 「家計全般の見直し必要」

日銀が利上げを進めることで、生活にもさまざまな影響が出てきそうだ。家計にとって最大の逆風となりそうなのが、住宅ローン金利の引き上げだ。専門家からは「金利のある世界」の本格的な到来に備え、家計全般の見直しが必要と指摘する声も上がる。

■新金利適用は年明け以降

住宅ローンは一定期間または完済まで金利が変わらない「固定型」と、半年ごとに金利を見直す「変動型」に大別される。超低金利環境が長く続き、金利引き下げ競争が激化したことで、利用者の7割超を占める変動型は金利の下限が0・3%前後と歴史的な低水準となっている。

各行は日銀の短期金利を参考に住宅ローンの基準金利を決める。そこから、個人の信用情報などを基に一定の利率が引き下げられ、適用金利が決まる。例えば、基準金利が年2・475%で引き下げ幅が2%なら適用金利は0・475%だ。

住宅ローン比較診断サービス「モゲチェック」運営会社MFSの塩沢崇取締役は今回の追加利上げで9月に各行の基準金利が引き上げられ、新金利が適用されるのは来年1~6月と見込む。

MFSの試算では元本3500万円、適用金利0・5%の変動型住宅ローンを借りている場合、仮に適用金利が0・5%上昇すると月の返済額は約8千円も増える。

■円高なら恩恵も

利上げが進むことによるプラス面もある。日米金利差の縮小が意識され、為替が円高方向に振れれば、輸入に頼る食料品やガソリンの価格低下も期待される。また、銀行預金の金利が上がれば、利息収入は増える。

塩沢氏は今後の金利上昇を前提に「金利変動リスクに備えた家計全般の見直しも必要」と話す。(永田岳彦)