日銀、追加利上げ決定 短期金利0.25%に誘導 国債購入、月3兆円へ縮小

AI要約

日銀は金融政策を正常化するため、政策金利を0.25%に引き上げることを決定した。

同時に国債買い入れ額も段階的に縮小し、金融政策の調整を進めることになる。

今後も景気や物価動向に応じてさらなる利上げを検討していく方針となっている。

 日銀は31日の金融政策決定会合で、政策金利である短期金利(無担保コール翌日物レート)の誘導目標を「0~0.1%程度」から「0.25%程度」に引き上げることを決めた。

 利上げは、3月のマイナス金利政策の解除に続き今年2回目。同時に決定した国債買い入れ額の段階的縮小と併せ、金融政策の正常化が一段と進むことになる。

 植田和男総裁は会合後の記者会見で「2%の物価目標の持続的・安定的な実現という観点から、金融緩和の度合いを調整することが適切であると判断した」と追加利上げの理由を説明した。「景気に大きなマイナスの影響を与えることはない」との認識も示した。

 国債買い入れについては、現在の月間6兆円程度から2025年度末に月間3兆円程度になるよう、3カ月ごとに4000億円程度のペースで減らしていく。

 植田氏は、今後の金融政策運営については「経済・物価の見通しが実現していくとすれば、引き続き政策金利を引き上げていくことになる」と述べた。さらなる利上げでは「0.5%を特に壁と意識していない」と指摘する一方、「年内にもう一段の金利調整があるかどうかは、これからのデータ次第」と強調した。