【ちょっと羨ましい?】厚生年金をひと月15万円もらっている人はどれほどいるの?モデル年金の試算も紹介

AI要約

公的年金は多くの世帯にとって老後の暮らしを支える柱であり、厚生年金と国民年金の概況を示すデータが公表された。

老後の消費支出と平均年金の関係、および長寿時代における年金制度の重要性について述べられている。

国民年金と厚生年金の加入対象や仕組みについて整理し、2024年の老齢年金のモデル金額試算について紹介されている。

【ちょっと羨ましい?】厚生年金をひと月15万円もらっている人はどれほどいるの?モデル年金の試算も紹介

多くの世帯にとって老後の暮らしを支える柱となるのが公的年金。

厚生労働省公表の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、サラリーマンだった人が受け取る厚生年金の平均月額は、男女全体で14万3973円(※)。

一方、総務省公表の「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」では、老後の毎月の消費支出額は下記のようになりました。

 ・65歳以上の単身無職世帯の消費支出:14万5430円

 ・65歳以上の夫婦のみの無職世帯の消費支出:25万959円

この結果だけ見ると「ひとりで月額15万円」の年金を受給できれば、標準的な世帯の支出はカバーできる計算にはなります。

しかし、ファイナンシャルアドバイザーである筆者は、年金生活を送るみなさんから「貯蓄を取り崩しながらなんとかやりくりしている…」といったお悩みの声を多く聞いてきました。

「人生100年時代」と言われる長寿時代。働き盛りの現役世代には、長生きリスクを踏まえた長期的なマネープランが求められています。

多く世帯の場合、公的年金制度は老後の暮らしを支える重要なライフライン。若いころから年金のしくみを正しく理解することは、遠い将来の暮らしに備える第一歩。老後資金を準備するうえで大切なステップです。

今回は、年金制度のしくみをおさらいしたあと、モデル年金例や今のシニア世代の年金受給状況を眺めていきます。

※厚生年金保険(第1号)の年金月額。国民年金(老齢基礎年金)の月額部分を含む

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日本の公的年金は、厚生年金と国民年金の2階建て構造。このうち「年金月額15万円」が実現できる可能性があるのは、厚生年金を受け取る人です。そこで、国民年金・厚生年金の加入対象などについて整理します。

●国民年金の加入対象など

1階部分に当たる国民年金(基礎年金)の加入対象は、原則として、国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人。年金保険料は全員一律で、40年間(480カ月)の全期間、年金保険料を納めた場合、老後は老齢基礎年金の満額を受給できます。

国民年金の加入者は第1号被保険者~第3号被保険者に分類されており、国民年金保険料を自分で納める必要があるのは第1号被保険者のみです。

 ・第1号被保険者:学生や自営業、無職など

 ・第2号被保険者:会社員や公務員など

 ・第3号被保険者:第2号被保険者に扶養される配偶者

●厚生年金の加入対象など

2階部分に当たる厚生年金の加入対象は、会社員や公務員などの第2号被保険者。国民年金に上乗せして加入する形式です。

年金保険料は収入に応じて決まる「報酬比例制」を採用。年金加入期間や年収に応じて将来受け取れる厚生年金の年金額に個人差がつくのが特徴。長く働き多く稼いだ人ほど、老後の年金は増える(ただし上限あり)しくみです。

次では2024年5月に政府が公表した、老齢年金のモデル金額の試算について見ていきましょう。