高齢者世帯の半数以上が年金収入だけで生活できない…【60歳代・70歳代】貯蓄額はどれくらいあるのか
2024年6月21日に岸田首相が記者会見を行い、電気・ガス代補助を再開することを発表。
老齢者や低所得者に向けた追加給付金も検討中で、年金生活者にとって重要な支援措置である。
60歳代・70歳代の平均貯蓄額や中央値、貯蓄額ごとの世帯数が示され、老後生活の様相が明らかになっている。
2024年6月21日に開かれた記者会見で、岸田首相は電気・ガス代補助を再開すると発表しました。
食品や生活必需品、エネルギー価格の上昇によりひっ迫した家計を支援するもので、「酷暑乗り切り緊急支援」として8月使用分から10月までの3カ月間限定で実施されます。
また、この日、年金生活者や低所得者を対象とした追加給付金を検討していることも明らかにしています。
収入アップの手段が限られる年金生活者にとって、どちらの支援も有益といえるでしょう。
本記事では、60歳代・70歳代シニア世代の平均貯蓄額と貯蓄割合について紹介していきます。
老後の暮らしぶりがどのような状況なのかを、統計データをもとに観察していきましょう。
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まずは、60歳代・70歳代の平均貯蓄額と中央値を確認していきます。
中央値とは、データを小さい順に並べた時に真ん中に位置する数値で、平均値より実態を反映していると考えられています。
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、60歳代・70歳代 二人以上世帯・単身世帯それぞれの平均貯蓄額は下記のとおりです。
中央値を見ると、二人以上世帯・単身世帯ともにどちらの年代においても1000万円未満です。
単身世帯の60歳代については中央値が210万円。すでに老後生活が始まっている人、これから定年退職を迎える人がいると思われますが、60歳代の貯蓄額としては不安な金額です。
次に、60歳代・70歳代の貯蓄額ごとの世帯数を確認していきましょう。
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、60歳代・70歳代 二人以上世帯の貯蓄ごとの世帯割合は下記のとおりです。
●60歳代
【60歳代】
・金融資産非保有:21.0%
・100万円未満:5.9%
・100~200万円未満:4.5%
・200~300万円未満:4.3%
・300~400万円未満:3.0%
・400~500万円未満:1.9%
・500~700万円未満:7.2%
・700~1000万円未満:6.7%
・1000~1500万円未満:6.8%
・1500~2000万円未満:5.4%
・2000~3000万円未満:9.5%
・3000万円以上:20.5%
●70歳代
【70歳代】
・金融資産非保有:19.2%
・100万円未満:5.6%
・100~200万円未満:5.1%
・200~300万円未満:4.3%
・300~400万円未満:4.7%
・400~500万円未満:2.5%
・500~700万円未満:6.2%
・700~1000万円未満:5.8%
・1000~1500万円未満:10.2%
・1500~2000万円未満:6.6%
・2000~3000万円未満:7.4%
・3000万円以上:19.7%
60歳代・70歳代ともに貯蓄がある人とそうでない人との差が大きい様子が窺えます。