30歳で「年収450万円」です。多いほうだと思っていましたが、高卒の友人が「年収500万円」と聞いてびっくり! 大学を出てこの年収は“低い”でしょうか?

AI要約

大学卒と高校卒の初任給や生涯賃金の比較に関するデータを元に、一般的な傾向を解説。

大学卒は平均年収が高い傾向にあり、生涯賃金も高いが、例外も存在。

企業規模や業種によっては、高校卒のほうが大学卒よりも稼いでいる場合もある。

30歳で「年収450万円」です。多いほうだと思っていましたが、高卒の友人が「年収500万円」と聞いてびっくり! 大学を出てこの年収は“低い”でしょうか?

一般的に、大学卒は高校卒よりも初任給が高く、一生で稼ぐ金額も高い傾向にあるといわれています。とはいえ、全てのケースに当てはまるとは限りません。

中には、大学卒30歳で年収450万円の人が、同年代の高校卒の友人が自分よりも稼いでいることを知り、「大学を出てこの給与は低いのだろうか」などと感じることもあるかもしれません。実際はどうなのか、本記事で解説します。

国税庁の「令和4年分民間給与実態統計調査」によると、給与所得者の平均年収は458万円です。年収450万円であれば平均程度といえますが、年収は年齢を重ねるほど高くなる傾向にあります。

同調査では年齢階層別の平均年収も公開していますが、25~29歳は389万円、30~34歳は425万円です。30歳で年収450万円は平均よりも高い水準といえるでしょう。

一般的に、大学卒のほうが高校卒よりも生涯賃金は高い傾向にあります。

独立行政法人 労働政策研究・研修機構の「ユースフル労働統計 労働統計加工指標集2023」によると、定年退職金の支給を受けたのち平均的な引退年齢まで非正社員で働き続けた場合、生涯賃金の平均は、男性で大学卒3億2020万円・高校卒2億6020万円、女性で大学卒2億5000万円・高校卒1億9000万円と、ともに6000万円ほどの差があります。

一般的には高校卒のほうが大学卒よりも生涯賃金は高い傾向にありますが、企業規模や業種によっては、高校卒のほうが大学卒よりも稼いでいる場合もあります。

「ユースフル労働統計 労働統計加工指標集2023」によると、企業規模が10~99人の企業で働く大学卒生涯賃金の平均は、男性の大学卒で2億2660万円、1000人以上の企業で働く高校卒の場合は3億560万円、女性はそれぞれ2億1650万円、1億6560万円です。

また、平均年収は業界ごとの差も少なくありません。「令和4年分民間給与実態統計調査」では14業種の給与所得者の平均年収を公開しています。最も平均年収が高い「電気・ガス・熱供給・水道業」の平均年収は747万円ですが、最も低い「宿泊業・飲食サービス業」は268万円です。

トータルでは大学卒のほうが高校卒よりも賃金が高い傾向にはありますが、企業規模や業種などの状況次第では、大学卒の自分よりも高校卒の知人のほうが稼いでいることもあるでしょう。もちろん資格の有無などスキル面でも給与に差がつくことがあります。