大バッシングで地上波出演困難。それでも渡部建を起用し続ける佐久間宣行の育成術

AI要約

佐久間宣行さんの人材育成ノウハウについて、マネジャーが一緒に挑戦の場に立つことの重要性が強調されている。

佐久間さんは演者との信頼関係を築きながら、一緒に試行錯誤する姿勢を大切にしている。

この姿勢は企業の人材育成にも活かせるものであり、上司が率先して本気で向き合うことが周りの士気やレベル向上につながる。

大バッシングで地上波出演困難。それでも渡部建を起用し続ける佐久間宣行の育成術

 元テレビ東京の社員であり、現在フリープロデューサとして活躍する佐久間宣行さん。佐久間さんの人材育成ノウハウは、ビジネスマンにとっても参考になる部分が大いにあります。

前回の記事ではインパルスの板倉俊之さんのエピソードから、本人の「可能性を見いだす」能力の重要性について紹介しました。後編の記事では、板倉さんや、アンジャッシュの渡部建さん、元AKB48の福留光帆さんの話を交えながら、引き続き佐久間さんの人材開発術について解説していきます。

■マネジャーが一緒に挑戦の場に立つ

 佐久間さんは脚本の執筆や、番組のプロデュースだけで、「あとは現場に行ってこい」と演者を放置するのではなく、佐久間さん自身が、時には一緒に場に立ちながら、演者と並走しています。

 例えば佐久間さんのYouTube番組『佐久間宣行のNOBROCK TV』内で、板倉さんが「嫉妬した芸人ベスト10」を発表する企画がありました。

 板倉さんは「20代の頃だったらマジなのは言えなかったかも……(笑)」と前置きしつつ、今だからこそ話せる本音を赤裸々に話してくれていました。自分にないものを持つ芸人たちに対して感じた悔しさや、嫉妬心を飾らずに話すのは勇気がいることです。板倉さんの話は、人間味があってぐっと引き込まれます。

 そんな企画で、佐久間さんは時に笑い、時にツッコミ役になり、何を話しても受け止めてくれる安心感のある雰囲気で、板倉さんの話の聞き役になっていました。一緒に場に立ち、試行錯誤しながら、信頼関係を醸成していったからこそできた企画なのではないかと思います。

 この話を企業の人材育成に置き換えてみても、部下に「ああしろ、こうしろ」というと反発されたり、理解されにくい場合も、上司が時には場に立ちながら誰よりも本気で向き合う姿勢を見せていれば、おのずと周りも引き込まれて本気で取り組むようになるのかもしれません。それが全体の士気やレベルの底上げにつながります。