労使対立が表面化していた、スーパー運営のケヒコなど3社(神奈川)が破産

AI要約

(株)ケヒコ、関連会社の(株)エス・インターナショナル、(株)広が破産手続き開始決定を受けた。

(株)ケヒコは北海道で業務スーパーの運営を展開し、売上高約28億7900万円を計上していた。

(株)エス・インターナショナルは食品輸入卸や食品卸などを手がける会社だったが、労使間の対立が表面化し破産に至った。

 (株)ケヒコ(TDB企業コード:457010241、資本金3000万円、神奈川県横浜市中区桜木町1-1-7)と、関連会社の(株)エス・インターナショナル(TDB企業コード:201430674、資本金3000万円、同所)、および(株)広(TDB企業コード:255061174、資本金100万円、同所)は、7月23日に横浜地裁へ自己破産を申請し、7月30日に破産手続き開始決定を受けた。

 申請代理人は笠井直人弁護士(笠井総合法律事務所、東京都中央区銀座3-11-18、電話03-3546-2033)ほか1名。破産管財人には、増田尚弁護士(多摩川法律事務所、神奈川県川崎市幸区堀川町580、電話044-540-1521)が選任されている。

 (株)ケヒコは、1990年(平成2年)9月に設立された。(株)エス・インターナショナルが札幌営業所を開設してスーパー向けの営業強化を図るにあたり、2013年に北海道で「業務スーパー」のフランチャイズ店の運営を開始した。その後、道内での出店攻勢により、近時も新規出店を重ね、運営店舗は7店舗に拡大。マスメディアで紹介されるなど「業務スーパー」の知名度向上から当社が運営する店舗の来店客数も増加し、2023年8月期には年売上高約28億7900万円、当期純利益約1200万円を計上していた。

 (株)エス・インターナショナルは、1959年(昭和34年)2月に設立された。しばらく休眠状態にあったが、91年ごろに営業を再開し、親会社だった港湾運送会社からの倉庫荷役作業や配達を主体に、チーズ・トマトソースなどの食品輸入卸、ビルメンテナンスや人材派遣などを手がけていた。その後、親会社との資本関係は解消したものの、スーパーマーケット向けの食品をメインとした倉庫荷役作業の受注に加え、飲食店など販売先の増加から食品卸部門も堅調に推移し、2016年12月期には年売上高約13億3400万円を計上していた。

 しかし、2024年に入って労使間での対立が表面化。労働組合は不採算事業の撤退や代表の交替などを求めていたが両者の溝は埋まらず、運営する店舗でストライキが行われるなど動向が注目されていたが、その後も事態の収束に至らなかった。

 負債は申請時点で(株)ケヒコが債権者約37名に対し約7億9900万円、(株)エス・インターナショナルが債権者約29名に対し約2億5850万円、(株)広が債権者約3名に対し約8200万円、3社合計で約11億3950万円。