コンテナ船を扱う世界の海運会社、船腹量が大幅増。伸び率トップはイスラエル船社

AI要約

海事調査会社の仏アルファライナーによる公表情報によると、今年上期の主要コンテナ船社の船腹量が増加していることが明らかになった。

コンテナ船の運航船腹量で首位を維持するMSCは、船隊増強を推進し、今年だけで40万TEUの船腹増加を達成した。

船腹量が減少したのは陽明海運1社だけで、他の船社は増加傾向にある中、MSCの船隊規模が今後も世界首位を維持する見込みだ。

コンテナ船を扱う世界の海運会社、船腹量が大幅増。伸び率トップはイスラエル船社

海事調査会社の仏アルファライナーは、主要コンテナ船社の年初からの船腹量の増減比較を公表した。1月1日と7月22日時点の船腹量を比べたもので、独船社のハパックロイドとイスラエル船社ジムが2桁パーセントの伸びを記録した。今夏に運航船腹量が600万TEUを突破したスイス船社のMSCは7%増。世界全体の今年上期のコンテナ船腹量が6・2%増となる中、依然として高い伸び率を維持している。

 各船社の船腹量の推移は表の通り。

 コンテナ船の運航船腹量で首位のMSCは、新造船の追加と中古買船を進め、今年だけで約40万TEUの船腹増加を達成した。船隊増強を続け、25日時点での船舶の発注残は100隻・120万6754TEU。現在2位のマースクの発注残は29隻・37万4966TEU、3位のCMA―CGMは92隻・116万9530TEUで、MSCの船隊規模は今後も世界首位を維持し続ける見込みだ。

 2位マースクは昨年、船腹量が3%減となったが、今年は再び増加傾向となり、6%増だった。メタノール二元燃料船の竣工などが増加に寄与した模様だ。一方で、MSCに匹敵する規模の発注残を有する3位CMA―CGMとの間で今後順位が入れ替わる見方が強い。

 トップ10船社のうち、船腹量が減少したのは、10位の台湾船社の陽明海運1社だけだった。1月時点で10位だったジムが1万5000TEU型のLNG(液化天然ガス)燃料船などの引き渡しを受け、順位を一つ上げて9位に躍進。陽明海運と順位が入れ替わった。