「お父さん、どうしてこんなに早く…」葬儀から火葬許可申請書提出までの流れと、その他の手続き【相続専門税理士が解説】

AI要約

親族が亡くなった際の手続きや法要の流れについて詳細に解説されています。

火葬許可の申請から葬儀の準備、初七日までにおこなうべき手続きなどが丁寧に説明されています。

遺族が速やかに行うべき手続きや注意点が詳細に記載されています。

「お父さん、どうしてこんなに早く…」葬儀から火葬許可申請書提出までの流れと、その他の手続き【相続専門税理士が解説】

大切な親族が亡くなった瞬間から、親族は非常にあわただしい時間を過ごすことになります。一般的な法要の流れと、遺族がおこなうべき多数の手続きのタイミングを並列しながら、具体的な流れを見ていきます。自身もFP資格を持つ、公認会計士・税理士の岸田康雄氏が解説します。

突然父が亡くなりました。家族全員、大変なショックを受けていますが、これからおこなうべきさまざまな手続きの多さに圧倒されています。まずは死亡届を役所へ提出しなければならないとのことですが、火葬するための手続き、そしてその後に必要な手続きなど、流れを教えてください。

会社員(30代・千葉県船橋市)

亡くなった方の火葬をおこなうには「火葬許可証」が必要です。そして、火葬許可証の交付には「火葬許可申請書」を提出する必要があります。

火葬許可の申請書は、原則として、死亡届と同時に市町村役場へ提出することになっています。火葬許可申請書の提出期限は死亡届と同じで、亡くなった日から7日以内です。

病院や自宅、介護施設等で看取られずに死亡していた場合は、法律上では死亡を知った日から7日以内に申請する必要があります。また、海外で亡くなった場合は3ヵ月以内の申請が必要となります。

火葬許可証が交付されたあとは、葬儀と火葬の準備をおこないます。葬儀費用を負担する人について、とくに法律で決められているわけではありませんが、一般的には、喪主が支払うケースが多いといえます。

葬儀後の法要スケジュールは、宗派や慣習により違いがありますが、仏教の多くの宗派では亡くなってから七日後に営まれる「初七日」があります。ただし最近では、葬儀や告別式と同日に済ませる場合も増えています。

初七日までにおこなう必要のある手続きとしては、下記の5つがあります。

(1)死亡届の提出

(2)病院及び葬儀業者への経費の支払い

(3)亡くなった方が当事者となっている契約の解約・変更

(4)遺言書の有無の確認

(5)年金受給停止手続き

とくに「(1)死亡届の提出」は、速やかにおこなう必要があります。

病院及び葬儀業者への支払いは、葬儀後、速やかにおこないます。病院への支払いは葬儀の翌日までにすませましょう。葬儀会社によって、当日精算のケース、後日の請求書で支払うケースなど違いがあるので、それに従うようにします。なお、葬儀費用は、相続税の計算で控除の対象となるため、領収書を保管しておくことが重要です。

亡くなった方が当事者となって結んだ契約は、亡くなった時点で無効になります。しかし、そのままにしていては、契約先は契約者が亡くなったことがわかりません。そのため、亡くなった方の契約先を確認して、不要なものは解約し、引き継いで利用するものは名義変更手続きをおこなうことが必要です。具体的には、クレジットカードやローンがあります。連絡しない限り支払が続いてしまうので、初七日までには確認しておきましょう。

遺言書の有無の確認は、遺産分割をおこなうために必要です。そのため、初七日を終えたあと、遺産についての話し合いが始まる前までに確認しておきましょう。なお、公正証書以外の遺言書は、勝手に開封することができません。検認手続きの準備も必要です。

年金の受給停止手続きも必要です。国民年金の場合は亡くなった日から14日以内に、厚生年金の場合には亡くなった日から10日以内におこなうことになっています。これらの手続きは、初七日のあとにすぐに期限が来るので、確認しておく必要があります。