Netflix「ボーイフレンド」が日本トップに、MCとプロデューサーに裏側を聞いてみた(前編)

AI要約

Netflixの恋愛リアリティショー「ボーイフレンド」が世界中で人気を集めており、日本を含む複数の国でTOP10入りしている。男性同士による恋愛模様や悩みを描いた番組で、ゲイやバイセクシュアルの男性たちが共同生活を送りながら1人の恋人を見つける様子が追われている。

企画段階から関わったTaikiさんや、MCのドリアン・ロロブリジーダさんなどが番組に参加し、ゲイやトランスジェンダーといった多様な出演者が活躍している。制作に携わる者たちは、男性同士の恋愛リアリティショーを通じて、多様性や個々の苦悩をリアルに伝えたいという強い思いを持っている。

Taikiさんが過去に男性同士の恋愛リアリティショーの企画を持ち掛けても難色を示された経験があり、日本のエンタメ業界の保守的な側面に苦しんでいた。しかし、「ボーイフレンド」の実現によって、多様性や異なる恋愛形態を受け入れる文化が少しずつ進んでいることを喜んでいる。

Netflix「ボーイフレンド」が日本トップに、MCとプロデューサーに裏側を聞いてみた(前編)

Netflixの恋愛リアリティショー「ボーイフレンド」が人気です。日本の「今日のTV番組TOP10」で1位になったほか(7月26日時点)、香港・シンガポール・台湾・ブラジル・フィンランドなど日本を含めた世界10の国と地域でTOP10入りするなど(7月24日時点)、世界でも視聴者が増えています。

日本初の男性同士による恋愛リアリティショーが7月9日から始まる。タイトルは「ボーイフレンド」。

ゲイとバイセクシュアルの男性9人が海沿いの家で共同生活を送りながら、コーヒートラックを運営。たった1人の恋人を探すのはもちろん、家族へのカミングアウトや、同性婚ができない日本で男性同士で恋愛をすることの葛藤など、悩みを打ち明け合い友情を深めていく様子を、Netflixが追った。

制作スタッフやスタジオMCに名を連ねるのは、自らをゲイだと公表しているTaikiさん、ドリアン・ロロブリジーダさんだ。前編の今回はプロデューサーのTaikiさん、後編ではMCのドリアンさんへのインタビューを伝える。

Taikiさん:モデルとして活躍する傍ら、モデル事務所・広告の企画制作などを行うofficebrillerを立ち上げCEOも務める。韓国人モデルの恋人Noahさんとは日本で暮らして9年目。

ドリアン・ロロブリジーダさん:ドラァグクイーン。俳優として鈴木亮平さん主演の映画「エゴイスト」にも出演。トランスジェンダーでネイリストのKILAさんとの結婚を発表している。

Taikiさんは「ボーイフレンド」に企画段階から関わり、参加メンバーのキャスティングや、演出の助言などをしてきた。当事者として、ゲイの男性同士の恋愛リアリティショーの実現を誰よりも待ち望んでいた1人であり、旧知の仲だった同番組エグゼクティブプロデューサーの太田大氏(Netflix)が本作を企画立案したのち、制作にあたって真っ先に声を掛けた相手でもある。

「太田さんには『ゲイの恋愛リアリティショーを作りたいです!観たいです!もうそういう時代でよくないですか?』とずっと話していました。

もともと恋愛リアリティショーに強い興味があったわけではなかったんですが、今の時代に男性同士や女性同士の恋愛リアリティショーがないことの『違和感』が、どんどん大きくなってきちゃって。

何より自分の幼少期にこんな番組があったら、もっと勇気をもらえたと思うんです。『こんな人間、自分1人なんじゃないか』とすごく不安でしたから」(Taikiさん)

実はTaikiさんはこれまでも複数のメディアに男性同士の恋愛リアリティショーの企画を持ち掛けてきたが、いずれも「うちでは難しい」という回答だったそうだ。

自身もゲイであることなどを理由に仕事を断られた経験があり、日本エンタメ界の保守的な価値観を痛感しているからこそ、「今回、こうして実現できたことが本当に嬉しいんです」(Taikiさん)と話す。