「オネエキャラでないとテレビで活躍できないみたいな空気感が気になっていた」男性同士の恋愛リアリティ「ボーイフレンド」プロデューサーが語る当事者としての思い

AI要約

Netflixの新作番組「ボーイフレンド」は男性同士の恋愛を描くリアリティショーで、海沿いのビーチハウスで9人の男性が共同生活する様子が描かれている。

番組プロデューサーのTaikiさんはリアリティショーでゲイのありのままの姿を表現するために企画に参加し、候補者のキャスティングに苦労するが、最終的には参加意欲の高い個性豊かなメンバーを集めることができた。

登場する男性たちはそれぞれ異なる職業や個性を持ち、恋愛だけでなく友情や思い出を大切にする姿が描かれている。

「オネエキャラでないとテレビで活躍できないみたいな空気感が気になっていた」男性同士の恋愛リアリティ「ボーイフレンド」プロデューサーが語る当事者としての思い

Netflixで話題の新作番組「ボーイフレンド」は日本で初めて男性同士の恋愛を描くリアリティショーです。登場するのは男性が恋愛対象の9人の男性たち。海沿いのビーチハウスで共同生活する彼らの姿は、叙情詩のような瑞々しさがあります。これこそ求めていた同性愛リアリティ番組のひとつのかたちです。モデルで番組プロデューサーのTaikiさんに番組の見どころと裏話、そして当事者としての思いを聞きました。

※本記事はネタバレを含みます。未見の方はご注意ください。

 

夏の思い出にピッタリな潮風を感じるビーチハウスに集まってくる爽やかな男性たち。約1ヵ月の間、共同生活する彼らは誰もが礼儀正しく、でも胸の内に情熱を秘めているようにも見えます。そして、登場する9人全員が恋愛対象というこれまでの日本のリアリティショーにはなかった設定です。待ってました。

「ボーイフレンド」のプロデューサーとして参加したモデルのTaikiさんこそ、企画が現実になることをNetflixの制作チームからはじめて聞いた時、「本当ですか? 本当にやるんですか?!」と喜びを隠せなかったそうです。

「いつかは日本でもゲイのリアリティショーが生まれて欲しいって、そんな思いをずっと持っていました。リアリティショーってリアルじゃないですか。だから、嬉しかったんです」と言葉を続けます。

 

 

「なんかちょっとステレオタイプというか、オネエキャラを出さないとテレビの世界では活躍できないみたいな空気感が子供の頃からずっと気になっていたんです。しっくりこなくて悩んだ時期もありました。実際はゲイと言ってもいろんな人がいるんです。それを知ってもらいたいという気持ちで僕自身、普段からカップルで活動しています。当事者の方々にも、当事者じゃない方々にも僕らそれぞれのありのままの姿を知ってもらいたいって気持ちがもともと強かったんです」

番組にかけた熱い思いが伝わってきます。ただし、具体化するにあたって制作過程は決して順調満帆というわけではなかった様子です。なかでも難航したのがキャスティングでした。

 「Netflixの番組であることは伏せて、『ついに男性同士のリアリティショーが始まるにあたって参加者を募集します』って、当初は僕自身のSNSで投稿して集まってもらおうと思ったんです。でも、手を挙げてくださった方はみなさんタイプが似ていらっしゃったので、これではバランスが良くないと感じました。それから直接スカウトしたり、SNSのDMを送って声をかけたり、知人から紹介してもらったり。候補者の方々とはかなり話し合いを重ねて、育った環境から家族との関係性に至るまで聞かせてもらいました。

最終的に決め手になったのは、どんな気持ちで出演したいかということでした。恋愛はもちろんしたいけれど、友情も作って、ひとつの思い出として経験したいって言ってくれる方が揃いました」

実際に個性溢れる面々です。大学生のダイ、デザイナーのテホン、モデルのリョウタ、ヘアメイクのゲンセイ、アーティストのシュン、料理人のカズト、ゴーゴーダンサーのユーサク、ITビジネスに携わるアラン、飲食店勤務のイクオのそれぞれがひと夏の青春物語を紡いでいくような印象を持たせています。