オーストラリア人「ジャパンの戦闘機なぜ青い?」空自も参加のお祭り 韓国軍の方がアピール上手か?

AI要約

F-2戦闘機は、航空自衛隊でしか運用されていない戦闘機であり、日米共同開発の成果である。オーストラリアで行われた多国籍軍事演習に参加し、一般公開イベントでも展示され、その存在をアピールしている。

オーストラリアのダーウィン空軍基地で行われた「オープンベース」イベントでは、F-2戦闘機の展示やパイロットと整備員による来場者との交流が行われた。航空自衛隊員は多くの質問に答え、F-2戦闘機がF-16と異なることを理解している来場者も多かった。

一般向けのイベント参加を通じて、F-2戦闘機や航空自衛隊の知名度向上や存在感を海外で認識させている。

オーストラリア人「ジャパンの戦闘機なぜ青い?」空自も参加のお祭り 韓国軍の方がアピール上手か?

 F-2戦闘機は、航空自衛隊でしか運用されていない戦闘機です。アメリカのジェネラルダイナミクス(現ロッキード・マーチン)が開発したF-16「ファイティング・ファルコン」をベースに日米共同開発したため、一見すると両機は似ているものの、機体に施された迷彩塗装は青色主体の洋上迷彩で、その点では灰色主体の制空迷彩をまとったF-16とは明らかに異なります。このように、海外から見れば極めて珍しい日本の戦闘機は、外国の人々からどのように見られるのでしょうか。

 2024年7月24日現在、航空自衛隊はオーストラリアの北部準州で行われている多国籍軍事演習「ピッチ・ブラック2024」に参加しており、6機のF-2戦闘機と1機のE-767をオーストラリアのダーウィン空軍基地に派遣しています。同演習には航空自衛隊を含めて20か国が参加しており、航空機の数も140機以上と非常に大規模なものとなっています。

 演習開始に先立つ7月19日には、ダーウィン基地において「オープンベース」と呼ばれる一般公開イベントが実施されており、会場には演習に参加している各国の軍用機が並べられ、パイロットや整備員たちもダーウィン市民や観光客との交流を楽しんでいました。

 航空自衛隊もF-2戦闘機1機を展示したほか、複数のパイロットや整備員たちがその周りに立ち、イベントの来場者に対応していました。

「オープンベース」を主催したオーストラリア空軍の広報によれば、このイベントは無料の事前予約制となっており、その申し込みの数は1万4000件程度だったそうです。実際の来場者数は不明ですが、少なくても数千人の人々が会場を訪れたことになります。その人々の目には、日本のF-2はどのように映ったのか、現地で直撃してみました。

「オープンベース」ではオーストラリア空軍によってスタンプラリーが行われており、そのための「パスポート」と呼ばれる小冊子が無料で配られていました。来場者はスタンプを貰うために各国のブースを回っており、航空自衛隊のブースも人の波が途切れることはありませんでした。

 また、ブース前ではヘルメットと飛行装具が持ち込まれており、子供から大人までそれらを装着して記念撮影を楽しんでいたようです。

 パイロットを始めとした自衛隊員も積極的に来場者と交流しており、一緒に記念撮影や、機体や日本に関する質問などにも答えていました。

筆者(布留川 司:ルポライター・カメラマン)が隊員に聞いたところ、質問の多くは一般的なことが多く、「日本からダーウィンまでこの戦闘機はどれくらいで来られるの?」や「なんで塗装が青いの?」、はたまた「翼の下のヤツ(ドロップタンク)は爆弾?」といった内容が多かったそうです。

 隊員らが意外と感じたのは、多くの人々が「F-2がF-16と違う機体」であることを理解していたことだそう。2022年に開催された前回のピッチ・ブラック演習にも参加していたからか、ダーウィンにおけるF-2の知名度は高いようです。

 このような一般向けのイベントに参加してF-2戦闘機や航空自衛隊の存在をアピールすることは、日本の存在感を海外の人々に認識させることに繋がります。