公取委がジェネリック品を不当に排除する違反行為で初の行政処分

AI要約

ASPジャパン合同会社が独占禁止法違反で排除措置命令を受けた。具体的には、内視鏡消毒剤と不当抱き合わせ販売を行ったことが問題となった。

ASP社は特許権消滅後もジェネリック消毒剤の使用を防止するため、消毒器の仕様変更を行い、他社の販売を妨害した疑いが持たれている。

公正取引委員会は26年ぶりの抱き合わせ販売事件に対処し、違反行為の取りやめを命じた。

公取委がジェネリック品を不当に排除する違反行為で初の行政処分

公正取引委員会は26日、医療機器販売や医薬品販売などを行う「ASPジャパン合同会社」に対して、人間ドックなどで使用した消化器内視鏡の消毒などを行う医療機器と、機器に使用する自社の消毒剤を不当に抱き合わせて販売している行為が独占禁止法に違反するとして、違反行為の排除措置命令を行った。

ASP社はこの消毒剤に関する特許を保有していたが、2013年4月に消滅。従って2014年10月以降はいわゆるジェネリックの消毒剤の製造販売を他社が開始していた。

しかし、ASP社は特許権が消滅した後も消毒剤の売上げを確保するため、“ジェネリック消毒剤”の使用を防止する方針の下、内視鏡洗浄消毒器の仕様を変更した。

具体的には、2015年9月以降に消毒器にバーコードリーダーの取り付け方針を決定。消毒剤に「二次元コード」をつけ、二次元コードを読み取らなければ、洗浄消毒機能が作動しないようにした。

こうした仕様変更は医療機関に自社の消毒剤の購入を余儀なくさせるとともに、他社のジェネリック消毒剤の販売を妨げた疑いがもたれている。

ASP社は2019年4月にジョンソン・エンド・ジョンソン社からこうした事業を継承。ジョンソン・エンド・ジョンソン社時代にこうした行為を開始していた。

こうした抱き合わせ販売の事件は約26年ぶりで、公正取引委員会が先発品の特許消滅後、ジェネリック品の排除について行った初めての処分になる。

公正取引委員会の担当者は「医療分野という国民生活に密接に関連する分野における違反事案として取り締まることが重要だ」と強調。公正取引委員会は違反行為の取りやめを命じたほか、後発メーカーや医療機関等に通知するよう命じ、その結果の報告を求める方針だ。