「ダイエットを決意したのに間食」「したくもない夫婦喧嘩」をしてしまう人は〈投資に不向き〉といえる、意外なワケ【投資のプロが解説】

AI要約

株式投資において、「お金を増やす人」と「減らす人」の取引の違いについて詳しく解説されています。

「自信過剰」や「不合理行動」に陥りやすい投資家の特徴やリスクについて述べられています。

お金を増やす人は冷静で常に自身の判断基準に基づいて取引する一方、減らす人は損失回復を急いで買い買い病に陥り、損失拡大のリスクがあることが強調されています。

「ダイエットを決意したのに間食」「したくもない夫婦喧嘩」をしてしまう人は〈投資に不向き〉といえる、意外なワケ【投資のプロが解説】

株式投資において、お金を「増やす人」と「減らす人」とでは、取引の仕方に明確な「違い」があるようです。ファイナンシャルアドバイザーである長谷川伸一氏の著書『お金の動きに強くなる投資の入口』(総合法令出版)より、詳しく見ていきましょう。

投資の世界にもビギナーズラックがあります。インターネットで偶然見つけた銘柄、雑誌に取材記事が出ていた会社、そういった「たまたま見つけて購入した株」が上がることがあるのです。

あるいは、株価が下がってきた際に、少し買い増ししたところ、株価が持ち直したなど、もしこのようなことが何回か続くと、「自分は天才なのでは」と勘違いしてしまうことがあります。これは、「自信過剰」の状態です。

このビギナーズラックは、いずれ「勘違いだった」ことがわかります。根拠のない自信を持っている、それも過剰な場合は状況が悪くなったときに、次の手がなかなか打てません。

私の友人にもこれで失敗した人がいます。公開前のIPO株で、数度に渡る高額の利益を得た友人は、ある会社の新規上場にあたって初値(新規上場後はじめてついた株価)を買いにいきました。「大丈夫、この会社は初値から必ず上がるから」、彼は自信過剰の状態になっていました。

実際には上場して1週間後、株価は一気に下落し、大損をしてしまったのです。

お金を減らす人は、うまくいった取引が続くと、すぐに自信過剰になります。そして、間違った判断をしてしまうのです。

しかし、お金を増やす人は勝とうが負けようが、常に冷静に自分の判断基準に基づいて取引をするのです。

どんな状況下でも、投資は冷静に判断しなければいけません。

しかし、わかっているはずなのに、人はついつい我を忘れて間違った行動を取ってしまいます。ダイエットを決意したのに間食してしまう、夫婦で仲良くしたいのに顔を合わせると言い争ってしまう……。

その場の感情に従って実行される、合理的とはいえない行動のことを「不合理行動」といいます。株式投資の世界でもこれに似たような行動を取る人が少なくありません。

お金を減らしてしまう人は損失を出したときに、パニックになりやすいものです。損失を一刻も早く取り戻そうと、その日のうちに銘柄を選び、買い注文を入れるのです。たとえ良い銘柄が見つからなくても無理にでも購入しようとします。いわゆる「買い買い病」です。

そうなると、冷静さは消えてしまいます。冷静さを欠いてしまっては、上手な取引はできません。さらに、損失を拡大させる結果に終わるのです。

お金を増やす人は、このような理屈に合わない行動をしません。

たとえ損失が出ても単なる事実ととらえ、冷静な判断を心がけます。良い銘柄が見つからなければ、取引しなければいいだけのことなのです。

お金を減らす人は、損失を一刻も早く取り戻そうと、取引せずにはいられず、イマイチな銘柄に買い注文を出してしまいます。

大事なのは、「これだ!」と思う銘柄が出るまで冷静に待てるかどうかです。