【10万円給付】生活保護世帯も「住民税非課税世帯」に該当するのか。保護の申請件数は5.9%増
厚生労働省が2024年4月に公表したデータによると、生活保護の申請件数は1163件増加し、高齢者世帯が55.5%を占めています。
生活保護世帯は医療費の助成を受けており、2023年度のデータでは入院外の医療費が過去最高に達し、入院費用も増加傾向にあります。
住民税非課税世帯への10万円給付は生活保護世帯も対象になる可能性が高く、過去の給付も生活保護世帯を含む低所得者世帯を対象にしていました。
厚生労働省が2024年7月3日に公表した資料によると、生活保護の申請件数は2024年4月概数で2万796件となり、対前年同月と比べると1163件(5.9%)の増加となりました。
昨今話題となる「住民税非課税世帯への10万円給付」は生活保護世帯でも該当するのでしょうか。
生活保護世帯の現状や医療扶助実態統計からわかる医療費の実情。さらには、給付金の動向についてまとめていきます。
※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
厚生労働省「令和6年度被保護者調査」によると、2024年度4月における保護の申請件数は2万796件となりました。
また、被保護世帯数は164万7853世帯となり、対前年同月と比べると3966世帯(0.2%)の増加です。
構成割合を見ると、高齢者世帯が55.5%。このうち単身世帯が51.5%をしめています。
高齢者世帯を除く世帯は3.8%で、このうち母子世帯は3.8%となりました。
なお、2023年中における年間の生活保護申請件数も増加していることから、コロナ禍や物価上昇で生活が厳しくなっている世帯が多いと考えられます。
生活保護世帯は、医療費の助成を受けることができます。医療扶助を受けている人のデータ(2023年度分)についても、2024年7月22日に厚生労働省より公表されました。
結果によると、入院が10万9936件であったのに対し、入院外は177万6734件です。
なお、入院における一件当たりの医療費は54万1401円で、増加傾向にあります。
一方、入院外における一件当たりの医療費は1万9012円でした。減少している年度があったものの、過去12年においてこちらも過去最高となっています。
2024年度に新たに住民税非課税世帯に該当した世帯に対し、現在「10万円の給付」が行われています。
過去も何度か行われてきたこれらの給付は、住民税非課税世帯を対象とすることが多かったのです。
では、生活保護世帯はこれらの対象になるのでしょうか。
住民税非課税世帯の要件は自治体による若干の違いがあるものの、おおよそ以下のとおりです。
●東京都23区内で「住民税非課税世帯」に該当する条件
(1) 生活保護法による生活扶助を受けている方
(2) 障害者・未成年者・寡婦又は寡夫で、前年中の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合は、年収204万4000円未満)の方
(3) 前年中の合計所得金額が下記の方
・同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合:35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円以下
・同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合:45万円以下
上記は東京23区の例ですが、生活保護世帯は住民税非課税世帯に該当することがわかります。
つまり、昨今の給付金は対象になると考えられるでしょう。
●住民税均等割のみ課税世帯も給付金の対象
2023年度と2024年度の給付金事業では、住民税の均等割のみが課税されている世帯も対象となっています。
「低所得者世帯」と表現されることもありますが、これまでの給付金と若干範囲が異なっているため、対象であると考えられる方は漏れがないように確認しましょう。