一瞬で命を奪う…日本をこれから襲う「一番深刻な災害」本当の恐怖

AI要約

過去に日本を襲った巨大地震や自然災害について、元禄地震や宝永地震などの歴史を振り返りながら、今後の備えや最悪の被害想定について考える必要性が示唆されている。

南海トラフ巨大地震や富士山大噴火など、過去の連動した自然災害の事例から、日本が直面する恐るべきリスクに備えることの重要性が強調されている。

最悪のシミュレーションを通じて、日本で実際に起こり得る「恐怖の大連動」について具体的に描かれ、防災意識の向上や準備の重要性が訴えられている。

一瞬で命を奪う…日本をこれから襲う「一番深刻な災害」本当の恐怖

2011年3月11日、戦後最大の自然災害となる東日本大震災が発生した。あれから13年、令和6年能登半島地震をはじめ何度も震災が起きている。

もはや誰もが大地震から逃れられない時代、11刷ベストセラーの話題書『首都防衛』では、知らなかったでは絶対にすまされない「最悪の被害想定」が描かれ、また、防災に必要なデータ・対策が1冊にまとまっている。

(※本記事は宮地美陽子『首都防衛』から抜粋・編集したものです)

今から320年ほど前、前代未聞の大災害は起きたことをご存知だろうか。

〈1703年の真冬、激しい揺れが深夜の東京都、千葉県、神奈川県(いずれも現在)を襲う。江戸時代、現在の関東地方を急襲した「元禄地震」だ。

被害の詳細はいまだ確定されていないものの、最大震度7に相当する強い揺れが起き、死者は1万人を超えたと伝えられる。10メートル超の津波は沿岸に住む人々に襲いかかり、一瞬にして多くの命を奪った。

2008年3月に千葉県が発行した防災誌には、古文書や供養碑などをもとに当時の被害がこのように記されている。

「房総半島南部では4メートル以上も土地が隆起、また沈降したために、農業や漁業を営んでいた当時の人々の生活に大きな影響をおよぼしました。大きな地震動と同時に、目の前にあった山が沈み、または今までなかった浜が出現したのです。これらの現象がどれだけ当時の人たちを驚かせたことでしょう」

巨大地震は強い揺れや津波とともに、大きな地殻変動も生じさせている。〉(『首都防衛』より)

過去に日本を何度も襲った巨大地震。本当に怖いのは、地震だけではない……。

元禄地震から始まり、いくつかの自然災害が「連動」したことがある。

〈4年後の1707年10月、今度は駿河湾から四国沖の広い範囲で大きな揺れが発生した。マグニチュード(M)8.6と推定される「宝永地震」は南海トラフの巨大地震で、最大震度7に達したとみられる。海岸部では最大で津波高約15メートルの大津波が発生し、現在の大阪を中心に死者は2万人以上と伝えられている。

内閣府の「災害教訓の継承に関する専門調査会報告書」(2014年3月)によれば、宝永地震のような南海トラフの大規模地震が発生した後には周辺の地殻に加わる力に大きな変化をもたらす。

発生後に地震や火山活動が活発になる場所が現れ、宝永地震発生の翌日早朝にはM6.5程度の地震が富士山の東麓で発生。そして、49日後には富士山の噴火活動が始まる。〉(『首都防衛』より)

首都直下地震、南海トラフ巨大地震、富士山大噴火という、過去にも一度起きた「恐怖の大連動」にどう備えるか。

最新データや数々の専門家の知見から明らかになった、知らなかったでは絶対にすまされない「最悪の被害想定」とは――。

つづく「『まさか死んでないよな…』ある日突然、日本人を襲う大災害『最悪のシミュレーション』」では、日本でかなりの確率で起こり得る「恐怖の大連動」の全容を具体的なケース・シミュレーションで描き出している。