米国のクレジットカード延滞率、統計開始以来の最高水準に上昇
米国のクレジットカード残高の返済期限超過率が2012年以来最高に達し、経済への亀裂の兆候が現れている。
フィラデルフィア連銀のデータによると、支払期限を60日過ぎた残高が2.6%に達し、30日延滞と90日延滞も高水準であることが明らかになった。
高金利政策が家計にストレスを与える中、余剰貯蓄の減少が個人消費を抑制し、経済に悪影響を及ぼしている。
(ブルームバーグ): 米国のクレジットカード残高のうち返済期限を過ぎた分が占める割合が、データでさかのぼれる2012年以降で最高となった。米国経済に亀裂が生じつつある兆候を示す数字が増えている。
フィラデルフィア連銀が24日発表したデータによると、1-3月(第1四半期)はクレジットカード残高の約2.6%が支払期日を60日過ぎていた。この比率は、新型コロナ禍で各種支援プログラムがあった2021年には1.1%にまで下がっていた。
30日延滞と90日延滞の比率も1-3月には上昇し、どちらも2012年以来の高水準となった。
米金融当局がインフレ抑制のための高金利を長期化させる中、エコノミストは家計にストレスの兆候がないかを注視している。新型コロナ禍の時期に積み上がった家計の貯蓄は消費者が物価高を乗り切る助けとなってきたが、そのクッションがすり減っていることで消費の活力が失われ、経済全体に影響が及びつつある。
底を突いた余剰貯蓄、米経済に忍び寄る個人消費急減速の足音
原題:Share of US Credit Cards Past Due Climbs to Highest Since 2012(抜粋)
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