マンションの1室から漂う“異臭”→ドアを開けて目にした「衝撃の光景」にオーナー絶句…家賃10万円の賃貸物件で起きた悲劇【弁護士による判例解説】

AI要約

賃貸マンショントラブルに関する実際の判例を紹介。

部屋から異臭がする通報を受け、遺体が発見された事案について。

相続人に原状回復費用や損害賠償を請求する可能性について。

マンションの1室から漂う“異臭”→ドアを開けて目にした「衝撃の光景」にオーナー絶句…家賃10万円の賃貸物件で起きた悲劇【弁護士による判例解説】

総務省「住宅・土地統計調査」によると、人口の約4割は「賃貸」に住んでいるそうです。そのため、不動産貸借に関する相談件数は年間およそ37,000件と、不動産トラブルが後を絶たない日本(消費者庁「2022年の消費生活相談の概況」)。では、具体的にどのようなトラブルが発生しているのでしょうか。弁護士の北村亮典氏が実際の判例をもとに解説します。

【マンションオーナーからの質問】

ある日、私が所有している賃貸マンション(賃料は月額10万円です)の1室から異臭がするという近隣住民からの通報がありました。

 

室内の賃借人が死亡していることが予想されたため、賃借人の家族と警察官に立ち会ってもらい、ドアを開けて当該室内に立ち入ったところ、賃借人が死亡されていることが発見されました。

 

賃借人は、貸室内の布団の中で死亡した状態(死因不明)で発見されました。死亡推定日時は、発見された日の2ヵ月半ほど前だったため、遺体発見が遅れ、死亡後約2ヵ月半が経過していたことから、発見されたときには、布団から腐敗物が床に染み出しているような状態でした。

 

その後賃借人の相続人(賃借人の両親)にこちらから連絡を取り、原状回復費用等についての話し合いを行いました。

 

遺体が2ヵ月半放置されたことにより死臭が残るなどしたため、大がかりな原状回復が必要となり、その費用として50万円以上が必要な状態でしたのでこれは当然払っていただきたいと考えています。

 

その他、遺体発見直後に、マンションの新規入居者2人からは礼金および共益費の減額を請求され、1件は礼金8万円と共益費3,000円の2年分7万2,000円、もう1件は共益費3,000円の2年分7万2,000円の減額を余儀なくされました。

 

また、死因不明の遺体が2ヵ月半にわたり放置されたということを嫌悪され、今後は契約が敬遠されて長期間空室が続くか、賃料の大幅な減額を求められる可能性が高いと思いますので、その損害を填補するには、少なくとも賃料1年分の半額程度は必要と考えています。

 

相続人の方々も気の毒とは思いますが、私も今回の件で大変な損害となっていますので、これらの損害について賃借人の相続人に請求したいと考えていますが、認められるのでしょうか。