ECB利下げ、観測は見当違いではないが基本でもない-カジミール氏

AI要約

欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのカジミール・スロバキア中銀総裁は、市場の利下げ観測についてコメント。インフレ圧力の状況、次回の政策決定会合に向けた期待などについて述べた。

カジミール氏は、インフレ圧力がまだ残っており、利下げの必要性を急ぐ必要はないと主張。次回の会合での決定は未定であることを強調した。

マクルーフ・アイルランド中銀総裁のコメントを引用し、夏の間に新たなデータと予測を合わせて、必要な決定を下すための準備が整うだろうと述べた。

ECB利下げ、観測は見当違いではないが基本でもない-カジミール氏

(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのカジミール・スロバキア中銀総裁は、ECBが年内にあと2回利下げを実施するという市場の観測は「完全に見当違い」ではないが、「既定とも基本シナリオ」とも考えるべきではないと述べた。

カジミール氏は22日の論説で消費者物価について「われわれは目標値に戻る道筋の上にあるが、まだ到達していないのは明らかだ」と指摘。「域内および世界的なさまざまな要因により、インフレ圧力が再燃するリスクはまだ無視できない」と論じた。

ECBは先週、政策金利を据え置いた。ラガルド総裁は、次回の政策決定会合(9月11、12日)での判断は「未決定」だと述べた。

それでも、インフレ圧力がまだ残っている中で当局者らは年内に2回の追加利下げが現実的だとの確信を失いつつあり、投資家に次回の会合での引き下げが決定事項であると思わせたくないと考えていると、関係者がブルームバーグに語った。

カジミール氏は「決断を急ぐ必要はない」と、マクルーフ・アイルランド中銀総裁の週末のコメントと同じことを繰り返した。「夏の小休止を楽しみ、待望の9月の『健康診断』を待とう。今後発表されるデータと新たな予測を組み合わせることで、必要な決断を下すための舞台が整うだろう」とカジミール氏は語った。

原題:ECB Cut Bets Not Fully Misplaced, But Not Baseline, Kazimir Says(抜粋)

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