保険金不正、6.5万件に 旧ビッグモーターは調査中止を通知 損保4社検証で

AI要約

中古車販売の旧ビッグモーター(BM)による保険金の不正請求問題で、約6万5000件に水増しの疑いがあることが明らかになった。

損保大手4社はBM存続会社に調査を求めたが、全容解明が難しく、約1700件の不正請求のみが確認されている。

バーム側から全件調査中止を通知され、損保側は今後の対応方針を模索している。

 中古車販売の旧ビッグモーター(BM)による保険金の不正請求問題で、BMの保険金請求のうち約6万5000件に水増しの疑いがあることが22日、分かった。

 損保大手4社はBM存続会社に確認を求めたが、不正の判定が難しいため、調査を打ち切ると通知されたという。双方が不正であると確認し、請求額が確定した事例は約1700件にとどまっており、全容解明が困難となる恐れが高まっている。

 調査は東京海上日動火災保険、損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険が実施。BMの数年分の保険金請求計約23万7000件を対象に検証を進めており、水増しと判断されたのは7月上旬時点で約6万5000件に上ったという。4社は不正と判断した請求について、BM存続会社の「BALM(バーム)」に保険金返還などを求めている。

 だが、損保大手の関係者によると、7月になってバーム側から「真に不正請求があったか否かを判定することが困難」などとして、全件調査を中止する方針を伝える通知が届いたという。バームは22日、「不適切行為による損傷か判断できないケースも相当数見受けられる」として、「公正中立な裁判所での調停を通じて協議・解決する提案をしている」とのコメントを発表した。

 損保側は「バームの調査も進まない中、突然の通知に困惑している」(別の関係者)と話しており、詳しい説明を求める考え。東京海上日動は「お客さまの被害回復を最優先に今後の対応方針を検討する」(広報)とコメントした。