投資家アナウンサー・佐田志歩「大型銘柄だから大丈夫」謎の自信が仇になり大損…なぜ損失許容は資金に対して3%と設定したのか

AI要約

佐田志歩さんが投資で30万円の損失を経験し、損切りの重要性を学んだエピソード。

自信過剰や確証バイアスに固執することの危険性を痛感し、損失許容額を設定することの重要性を理解。

経験から学んだ教訓を通じて、投資の成功に向けた自己反省と成長を遂げている。

投資家アナウンサー・佐田志歩「大型銘柄だから大丈夫」謎の自信が仇になり大損…なぜ損失許容は資金に対して3%と設定したのか

 フリーアナウンサーとして競馬番組のキャスターやイベントMCなどで活躍する傍ら、投資家として“億り人”を目指す佐田志歩さん。成功を収めた個人投資家と直接会う機会が多い佐田さんですが、投資を始めたばかりのときは負けが続いていたと言います。彼女が勝ちへの道筋を見つけたきっかけとは?全3回にわたって送るインタビューの第2回。

――佐田さんは約4年間投資を続けてこられて、酸いも甘いも経験されていると思います。印象に残っていることを教えてください。

 苦い経験をしたのは、2021年です。半導体銘柄の株価が伸び、大きな利益を得た人も多いと思います。

 私も半導体銘柄を新規で買ってみましたが、買った途端に株価が急落。マイナス30万円になったところで損切りしました。投資資金100万円のうち、30万円の損切りなので、残りは70万円。この資金では2銘柄ぐらいしか買えない状態になったので、かなりの痛手です。

――損切りをするのは、あらかじめ30万円と決めていたのですか?

 決めていたわけではありません。買ったのは大型銘柄だったのですが、「大型銘柄だから大丈夫」という謎の自信があり、価格が下がってもすぐに戻ると思い込んでいました。前回の記事でも出てきましたが、ここでも確証バイアスが働いてしまったのです。

 さらに、毎日チャートを見ながら「ここが底だろう」「これ以上下がらないだろう」と自分に言い聞かせていました。

 小型株のボラティリティの大きさは経験していましたが、大型株でも値動きが激しいことを初めて経験したのです。特に半導体銘柄はボラティリティが大きいのですが、それを知ったのは痛手を負った後のことでした。

――そのご経験から学んだことは、どんなことですか?

 自分で勝手に底を決めない、根拠のない自信は持たないということです。

 私は競馬番組のキャスターをしているのですが、30万円の損切りについてディレクターに話したところ「大穴を狙っていたの?」と聞かれました。

 しかし、私が買ったのは大穴どころか、「単勝の倍率1.2倍」のような期待値が高い銘柄。それでも負けてしまうのですから、「いかに守るか」が大事なのだと実感しました。

 負けているときは3割の損失に恐怖しましたが、「ここで止めなければならない」という気持ちで損失を確定させました。結果的に、私が損切りをした価格帯で反発。私と同じように損切りをする人が多かったか、押し目を狙いやすい価格帯だったのかもしれません。つまり、私はセリング・クライマックス(下落トレンドの最終局面で売りが加速し、急落している状況)の最中に損切りしてしまったということですね。

 そのときは価格が上昇しましたが、もっと早めに損切りをすればよかったという思いは消えません。良い教訓になりました。

――なかなか損切りができなかったということですが、その理由を教えてください。

 そもそも「損切りをする」ということに納得できなかったのだと思います。株価は上下するもので、すぐに損切りをするとなれば、損切り貧乏で損が膨らむばかりだと感じていました。

 共演している方に「損切りは大事」だと口酸っぱく言われましたが、本当の意味で損切りの必要性を分かっていなかったのです。価格は落ちても戻ってくると、心のどこかで思っていましたし、損失許容額などを考えず、5万円ほど落ちたら「なんとなくの危機感」を抱いて損切りするスタイル。そんなときに前述した通り30万円の損切りを経験してしまったので、損失許容は資金に対して3%と設定することに。その後、ボラティリティによって損失許容額を変えていくスタイルになりました。