成田空港、燃料不足で韓国から輸入 アジア路線300便相当、就航待ちも対応可に

AI要約

成田国際空港会社(NAA)は航空燃料不足対策として約5000キロリットルの燃料を受け入れた。

輸入した燃料は石油連盟の基準を満たして空港へ運ばれた。

成田空港のパイプラインは47キロに及び、航空燃料を供給している。

成田空港、燃料不足で韓国から輸入 アジア路線300便相当、就航待ちも対応可に

 成田空港を運営する成田国際空港会社(NAA)は7月19日、官民による航空燃料不足への対策として、アジア便約300便分に相当する約5000キロリットルの燃料を受け入れたと発表した。伊藤忠商事(8001)が韓国の製油所から輸入した燃料を、千葉港から空港へ直接搬入した。

 伊藤忠が輸入した航空燃料は、8日に千葉港頭の桟橋へタンカーが着岸し、成田空港への送油は10日以降に行われた。輸入燃料と国内で精製した燃料を同じタンクに貯蔵するため、元売り各社などが加盟する石油連盟が定めた「共同利用貯油施設向け統一規格」の基準を満たしていることを品質確認試験で確認後、パイプラインで成田空港のタンクへ運んだ。輸入燃料を空港が直接受け入れるのは、今回の取り組みでは成田が初めて。

 成田空港では、6月末時点で6社週57便が、燃料不足で就航を断念していたが、今回調達した燃料は十分対応可能な量だという。NAAによると、伊藤忠商事との守秘義務契約があるため、これまでNAAから具体的な説明を控えていたが、伊藤忠側から了承を得たことから公表したという。

 全長約47キロに及ぶ成田のパイプラインは、開港5年後の1983年8月8日に供用開始。千葉港頭石油ターミナルから千葉市、四街道市、佐倉市、酒々井町、富里市、成田市を経て成田空港へ航空燃料を送油している。