6月訪日客314万人、単月で過去最多 年間3500万人も視野

AI要約

政府は6月の訪日外国人客数が過去最高の約314万人であることを発表した。年間の訪日客数は過去最多の3500万人が見込まれており、外国人の消費額も過去最高になっている。

新型コロナウイルス禍前の水準を回復し、単月では9カ月連続で前年同月を上回る数字を記録している。外国人の消費額も61.5%増加しており、達成されたら年間消費額は8兆円に達する見込み。

政府は年間訪日客数6000万人、消費額15兆円を目標に掲げているが、観光地のオーバーツーリズムや混雑などに対する課題も存在している。

6月訪日客314万人、単月で過去最多 年間3500万人も視野

 政府は19日、6月の訪日外国人客数(推計値)が約314万人で、単月として過去最高を更新したと発表した。1~6月の上半期は約1778万人となり、2024年の訪日客は過去最多となる年間3500万人が視野に入るペースで推移している。また、日本を訪れた外国人の消費額は4~6月で約2兆1000億円となり、四半期として過去最高を更新。年間消費額は8兆円に達する勢いだ。

 19日に首相官邸で開かれた観光立国推進閣僚会議で示された。政府観光局(JNTO)によると、単月では23年10月以降、9カ月連続で新型コロナウイルス禍前の水準を回復。このうち24年3月からは4カ月連続で月300万人を超えた。年間ではコロナ禍前の19年の3188万人が過去最多だが、24年はこれを更新する可能性が高まっている。

 外国人の消費額は、1~6月の上半期で約3兆9000億円となり、19年同期比61・5%増だった。24年の訪日客が年間3500万人となった場合、上半期の1人当たり消費単価から試算すると、年間8兆円に達するという。これまで消費額の過去最高は23年の約5兆3000億円で、これを大幅に上回る計算だ。

 政府は30年目標で年間訪日客数6000万人、消費額15兆円を掲げている。達成にはさらなる誘客が必要だが、訪日客の宿泊地域は東京、大阪、名古屋の3大都市圏に約7割が集中し、観光地では過度な混雑やマナー違反などのオーバーツーリズムへの対策も課題となっている。【佐久間一輝】